テーマ:小説

ヘンリー・ジェイムズを読む1 SM文学の傑作としての『ねじの回転』

小説『ねじの回転』THE TURN OF THE SCREW 1898年 ヘンリー・ジェイムズ著 土屋政雄訳 光文社古典新訳文庫 2012年9月20日初版第1刷発行 2015年3月11日(水)読了 (注意!)ネタバレ、オチバレあり。 ある屋敷の主人に雇われて、幼い兄妹の家庭教師になった20歳の若い女性。屋敷に赴いた彼女は、…
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『世界の中心で愛を叫んだけもの』 少年は犬を愛するものさ

SF(短編集)『世界の中心で愛を叫んだけもの』ハーラン・エリスン著 浅倉久志、伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫 2015年1月30日(金)読了 (注意)ネタバレあり 短編集。15編収録。玉石混交。どこが面白いのかサッパリの作品も多い。思ったよりもつまらない作品が多い。けれどいくつかはとんでもなく面白い作品もあるのでそれで相殺といっ…
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『女嫌いのための小品集』 天下公認の娼婦、またの名は主婦

短編集『女嫌いのための小品集』1975年 パトリシア・ハイスミス著 宮脇孝雄訳 河出文庫 1993年1月7日初版発行 2014年12月12日(金)読了 (注意)ネタバレあり 17編収録のショート・ショート集。 「嫌な女」の話ばかりを集めた極めて毒のある本である。これでもかと、嫌な女に付き合わされる羽目になる。うんざりする…
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『賭博者』 おばあさんはルーレットが大好き

小説『賭博者』1866年 ロシア ドストエフスキー著 原卓也訳 新潮文庫 1979年2月20日発行 2005年4月30日31刷改版 2006年5月30日32刷 2014年11月15日(土)読了 (注意)ネタバレあり ギャンブル(賭博)に狂う人間を描いたとして夙に名高いドストエフスキーの小説。長大な作品が多い彼の小説の中では…
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『黒猫/モルグ街の殺人』 理性と狂気の狭間で

小説(短編集)『黒猫/モルグ街の殺人』1839年~1846年 アメリカ エドガー・アラン・ポー著 小川高義訳 光文社古典新訳文庫 2006年10月20日初版第1刷発行 2009年8月15日第3刷発行 2014年11月2日(日)購入 2014年11月3日(月)読了 (注意)ネタバレあり。 短編集。短編8編収録(内、1編はエッ…
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『影が行く』 原子力エネルギーを動力にした反重力装置

小説(アンソロジー)『ホラーSF傑作選 影が行く』P・K・ディック D・R・クーンツ他 中村融編訳 創元SF文庫 2000年8月25日初版 2014年11月1日(土)読了 ホラーSFのアンソロジー。短編13編収録。面白かったもの、面白くないけど注目すべきものについて感想を書いておく。 「消えた少女」(1953年)リチャード…
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『予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖』 吸血鬼・夢魔・牧神

小説(短編集)『予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖』1939年~1969年 アメリカ ロバート・ブロック著 井上雅彦編 植草昌実他訳 扶桑社ミステリー文庫 2014年6月10日第1刷 2014年10月3日(金)読了 日本で編集された短編集。12編収録。帯に依れば、「オール本邦初訳&初収録作!」だそうだ。 多作だったロバート・ブロ…
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『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』 完璧なメイド

小説(短編集)『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』1923年~1947年 イギリス サマセット・モーム著 木村政則訳 光文社古典新訳文庫 2011年4月20日初版第1刷発行 2014年9月30日(火)読了 短編集。6編収録。収録作品「ジェイン」「マウントドレイゴ卿」「パーティの前に」「幸せな二人」「雨」「掘り出しもの」 …
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小説(児童文学)『思い出のマーニー』 第3章 でも、いまは内側にいます

小説(児童文学)『思い出のマーニー』 (注意)小説とアニメの『思い出のマーニー』のネタバレしています それにしてもここで描かれる現象とは何だったのか。小説もアニメも説明していない。ぼくが考えるには、 1 マーニーは幽霊だった。 2 マーニーは生身の人間。アンナがタイムスリップしてマーニーに会った。 3 1と2の混合型。…
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小説(児童文学)『思い出のマーニー』 第2章 だれがいけなかったの?

小説(児童文学)『思い出のマーニー』1967年 イギリス ジョーン・G・ロビンソン著 高見浩訳 新潮文庫 (注意)以下の文章において小説およびアニメの『思い出のマーニー』のネタバレしています。 アンナももともとの名前は、マリアンナ出会ったことが明かされる。マリアン(マーニー)とマリアンナ。祖母の名前を受け継いだわけだ。そして…
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小説(児童文学)『思い出のマーニー』 第1章 私は外側にいる

小説(児童文学)『思い出のマーニー』1967年 イギリス ジョーン・G・ロビンソン著 高見浩訳 新潮文庫 (注意)小説『思い出のマーニー』とアニメ版のネタバレあり。 アンナは、孤児。養父母に育てられている。 アンナは、自分が〝外側〟の人間である、と思っている。だから〝内側〟の人間のようにパーティに参加したり、親友と仲良くし…
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吉行淳之介『原色の街』 快楽の道具としての男

吉行淳之介『原色の街』1951年(昭和26年) (注意)ネタバレあり。 あけみに結婚を迫る常連客が現れる。揺れるあけみの心。 あけみはその男とデートする。遊園地に行き、ウォーター・シュートという乗り物に乗る。それは平和な時代(戦前)に遊園地の花形だった乗り物。結構、この乗り物の描写が詳しい。 元木英夫は、原瑠璃子とデート…
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吉行淳之介『原色の街』 エロ写真を売る男

小説『原色の街』1951年(昭和26年) 吉行淳之介著 『新潮日本文学53巻 吉行淳之介集』収録  (警告)以下の文章で『原色の街』の結末や細部について言及している。この小説を未読の方は絶対読まないように。 著者27歳のときの作品。この若さでこれだけのものが書けることが驚異である。 娼婦の街と呼ばれる街に住むあけみという娼…
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『10ドルだって大金だ』 誰も教えてくれない

小説(短編集)『10ドルだって大金だ』ジャック・リッチー著 藤村裕美 他 訳 河出書房新社 2006年10月20日初版発行 2014年6月7日(土)読了 ジャック・リッチーはいわば忘れられた作家だったが、日本において短編集が編まれてから再評価されたようである。正直言ってぼくも彼の作品は読んだ記憶がなかった。で、試しに買って読んで…
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「不思議のひと触れ」 どんな孤独にもおわりがある

小説(短編集)「不思議のひと触れ」アメリカ シオドア・スタージョン著 大森望編 大森望・白石朗訳 河出書房新社 奇想コレクション 2003年12月30日初版発行 2004年2月28日2刷発行 2014年2月9日(日)読了 短編集。全10編収録。残念ながらどれもこれも面白いとはいかない。面白いのはこのうちの半分くらいか。ま、それで…
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「ぼくのつくった魔法のくすり」 お年寄りは大切にしないようにしましょう

小説(児童文学)「ぼくのつくった魔法のくすり」1981年 イギリス ロアルド・ダール著 宮下嶺夫訳 評論社 ロアルド・ダールコレクション10 2005年4月30日初版発行 2014年1月22日(水)読了 タイトルからすると、天才少年がトンデモない薬を発明してしまってそれがもとで彼の住んでいる町の住民はてんやわんやの大騒ぎ、みたい…
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「奇才ヘンリー・シュガーの物語」 カメを助けた少年はその後どうなったか?

小説(短編集)「奇才ヘンリー・シュガーの物語」1977年 イギリス ロアルド・ダール著 柳瀬尚紀訳 山本容子絵 評論社 ロアルド・ダールコレクション7  2014年1月25日(土)読了 短編集。短編小説6編とエッセイ2編収録。児童書の体裁ではあるけれど大人が読んでも十分面白い。というか、子どもにはいささか教育上よろしくない作品も…
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「夢みる宝石」 蟻を食べる少年

小説「夢みる宝石」1950年 アメリカ シオドア・スタージョン著 永井淳訳 ハヤカワ文庫 2006年2月15日発行 2014年2月1日(土)読了 8歳の少年ホーティは、学校で蟻を食べているところを見つけられ問題になる。そのことで養父に叱責されたホーティは今まで住んでいた家を出る。その際、アクシデントで左手の指3本を欠損してしまう…
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「輝く断片」 ノイズを止める

小説(短編集)「輝く断片」アメリカ シオドア・スタージョン著 大森望編 河出書房新社 奇想コレクション 2005年6月30日初版発行 2014年2月2日(日)読了 日本オリジナル編集の短編集。8編収録。帯に「シオドア・スタージョン ミステリ名作選」とあるが、実際に読んでみると所謂狭義のミステリの藩中から外れた作品が目立つ。他の作…
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「ゲド戦記別巻 ゲド戦記外伝」 これでおしまい

小説「ゲド戦記別巻 ゲド戦記外伝」2001年 アメリカ アーシュラ・K.ル=グウィン著 清水真砂子訳 岩波書店ソフトカバー版 2006年5月10日第1刷発行 2006年6月26日第4刷発行 2014年1月20日(月)読了 別巻ということで外伝の短篇5篇とまえがきとアースシー解説を収録した巻。正直言って今までの巻で一番つまらない巻…
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「ゲド戦記Ⅴ アースシーの風」竜の子

小説「ゲド戦記Ⅴ アースシーの風」2001年 アメリカ アーシュラ・K.ル=グウィン著 清水真砂子訳 岩波書店ソフトカバー版 2006年5月10日第1刷発行 2006年6月26日第5刷発行 2014年1月14日(火)読了 「ゲド戦記」もこのⅤ巻にて実質的に終了。あとは別巻という外伝はあるのだが、本筋の話ではない。 ゲドは老い、…
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「ゲド戦記Ⅳ 帰還」 魔法を失うということ

小説「ゲド戦記Ⅳ 帰還」1990年 アメリカ アーシュラ・K.ル=グウィン著 清水真砂子訳 岩波書店ソフトカバー版 2006年5月10日第1刷発行 2006年6月26日第4刷発行 2014年1月12日(日)読了 Ⅱ巻の大巫女の少女テナーが再登場。もっとも25年のときが流れ、もはや中年の女性になっている。ゲドによって助け出され、魔…
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「ゲド戦記Ⅲ さいはての島へ」 人はすべて死ぬ

小説「ゲド戦記Ⅲ さいはての島へ」1972年 アメリカ アーシュラ・K.ル=グウィン著 清水真砂子訳 岩波書店」 ソフトカバー版 2006年4月6日第1刷発行 2014年1月4日(土)読了 Ⅰ巻で十代、Ⅱ巻で三十歳前後だったゲドもこのⅢ巻では、五十に手が届く年齢になっている。一気に時が流れた。ゲドは、大賢人と呼ばれ、ロークの魔法…
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「ゲド戦記Ⅱ こわれた腕環」 輪廻転生の少女

小説「ゲド戦記Ⅱ こわれた腕環」1971年 アメリカ アーシュラ・K.ル=グウィン著 清水真砂子訳 岩波書店 ソフトカバー版 2006年4月6日第1刷発行 2014年1月2日(木)読了 Ⅰ巻に引き続き、ゲドの活躍を読めると思いきや、最初から一人の少女の人生が描かれる。Ⅰ巻には出てこない全く未知の少女。彼女は、運命のいたずらで大巫…
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「ゲド戦記Ⅰ 影との戦い」を読む

小説「ゲド戦記Ⅰ 影との戦い」1968年 アメリカ アーシュラ・K.ル=グウィン著 清水真砂子訳 岩波書店 ソフトカバー版 2006年4月6日第1刷発行 2013年12月31日読了 異世界を舞台に魔法使いを主人公にしたファンタジー。今となっては腐るほどあるその種の作品群の先駆的地位を占める作品。46年前の作品なので新鮮味という点…
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「非(ナル)Aの世界」 真空管のある未来

小説(SF)「非(ナル)Aの世界」1945年 アメリカ A・E・ヴァン・ヴォークト著 中村保男訳 創元SF文庫 1966年12月16日初版 1994年10月21日26版 2013年4月27日(土)読了 中学生以来だから43年ぶりの再読。 勿論、すっかり内容は忘れていたので初めて読むような新鮮さで読んだ。 いやー、正直言っ…
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「うたかたの日々」 人はみんな死ぬ

小説「うたかたの日々」1947年 フランス ボリス・ヴィアン著 野崎歓訳 光文社古典新訳文庫 2011年9月20日初版第1刷発行 2013年4月22日(月)読了 以下の文章において、「うたかたの日々」の登場人物の生死、およびストーリーの細部について触れております。「うたかたの日々」を未読の方はその辺を御承知の上、読んでください、…
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「厭な物語」 読後感最悪。

小説(アンソロジー)「厭な物語」2013年 アガサ・クリスティー他著 中村妙子他訳 文春文庫 2013年2月10日第1刷 2013年2月8日(金)購入  2013年2月17日(日)読了 タイトル通りに「厭な物語」11編を収録したアンソロジー。編者の名前がどこにも見当たらないが、おそらく日本オリジナルのセレクションと思われる。 …
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「脳男」 マッド・ボンバー

小説「脳男」2000年 首藤瓜於(しゅどう うりお)著 講談社 2000年9月11日第1刷発行 2013年2月2日(土)読了 第46回江戸川乱歩賞受賞作。 2月9日公開の映画の原作。映画を観る前に読みたくなったので買い求めた。 冒頭、いきなり警察がある事件の容疑者の隠れ家を包囲しているところから始まる。このあたりからいか…
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「ヨットクラブ」

小説(短編集)「ヨットクラブ」TIME OUT(1968年) アメリカ デイヴィッド・イーリイ著 白須清美訳 晶文社 2003年10月30日初版 2012年12月31日(月)読了 短編集。全15編収録。 帯には、「異色作家短篇集」と書かれてある。早川書房の往年のシリーズを念頭に入れてのものだが、確かにこの本を読んでみると「異色…
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