『ブルーは熱い色』 愛・孤独・死・永遠 

マンガ(バンド・デシネ)『ブルーは熱い色』2010年 フランス ジュリー・マロ著 関澄かおる訳 発行DU BOOKS 発売ディスクユニオン 2014年3月28日初版発行 定価2376円 2014年4月5日(土)購入・読了

盛大にネタバレあり。映画『アデル、ブルーは熱い色』の内容にも触れていてネタバレあり。未読・未見の人は要注意。

映画『アデル、ブルーは熱い色』の原作マンガ(バンド・デシネ)。映画とは違う別物という感じがする作品。どちらも傑作でそれぞれの良さがある。
この作品のヒロインは、クレモンティーヌ。映画ではアデルという名の人物になっている。そしてもう一人のヒロインは、エマ。これは映画でも同じ名前。

これは死んだクレモンティーヌが書き残した日記をエマが読むという形式の物語。つまり冒頭からヒロインが死んでいることが明記されているということ。そして時間を遡りいかに彼女は死に至ったかを辿るストーリーが進行する。映画の方はヒロインを死なせてはいない。そこが大きな違い。
最初からヒロインが死ぬという結末をバラして話を進めるというのは結構難しい。多分に興が削がれる面はある。映画はだから死なせなかったのだろう。マンガの方はこうしたことにより、全編に陰鬱で死の匂いが漂う作品になっている。だが、それがこの作品の絵柄にも合っていてむしろしっくりくる。
フランスのマンガ、所謂バンド・デシネを読むのはこれが初めて。どうしても普段読み慣れている日本のマンガと比較してしまう。だが、そんなに差異を感じることはなかった。未知の存在に遭遇して驚愕した、というわけでもない。割とすんなり受け入れることができた。日本のマンガの影響云々はよく分からない。印象的には、ちょっと皮相な表現だが、『ガロ』に掲載されそうなマンガという感じ。
登場人物の感情表現や顔の表情が抑え気味で変化に乏しい。普通、映画などでは外国人のオーバーアクションが目立つのだが、こちらは逆。日本のマンガの方がこれよりも喜怒哀楽がハッキリしていてオーバーアクションだ。その辺が興味深い。クレモンティーヌもエマも陰鬱で暗い表情が多く、また二人の顔が似通っているのでイメージが重なって見える。これも作者の計算か。だから時折、ふたりが笑ったりしているのが印象に残る。
台詞なしでコマ割りしているところも面白い試み。

ストーリーとしては15年にわたるクレモンティーヌとエマの愛の軌跡を追っている。幸福な時もあれば、いがみ合いもあり、嫉妬もあり、依存もある。その描き方がとても心に迫ってくる。映画とは違って、余分なものを加えなかったのでよりシンプルに、より切実に、より悲しい話になっている。
傑作。
ジュリー・マロの次の作品もぜひ読みたい。早く翻訳出版して欲しい。
ブルーは熱い色 Le bleu est une couleur chaude
DU BOOKS
ジュリー・マロ

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