「おおきくなりません」 許すまじ、電車コロボックル!

小説「おおきくなりません」2002年 白倉由美著 講談社 2002年10月15日第一刷発行
2009年5月1日読了 読書時間145分 

おおきくなりません、ってタイトルで宣言しちゃっているものになんか言ってもしかたないので、たのしく読むことにした。最初のうちは「文章がへただなあ。」とか「話になかみがなくてスカスカだなあ。」なんておもっていたけれど、読んでいるうちにそんなことはどうでもよくなり、夢中になっていっきに読んでしまった。あ、いっきにというのは少しちがう。こころにひっかかるフレーズがあるとそこに戻って読みなおしたりしたので、ゆきつもどりつのジグザグ読みというのがただしい。

「大丈夫、私、おおきくならないから」(10ページ)
「こわいよぉ、こわいよぉ、いやだよぉ」(38ページ)
「だって、麻巳美は幼稚園の時、ボタンを留めるのを練習する日にはしかになって休んじゃったんだもん。だから仕方ないでしょ」(136ページ)
「いやあああ、この音がいや!電車コロボックルの意地悪!」(153ページ)
「だって・・・・・・可愛いんだもん、セーラー服」(193ページ)

「白倉由美、初の私小説 
僕たちは、ゆっくりと大人になる・・・・・・」(本にはさまっていたチラシより)

そうか、これって私小説だったのか。えっ、ということはヒロインの篠野麻巳美(ささのまみみ)はこの世に実在するということになるが・・・。うーん、なんというおそろしいことだ。でも一度でいいから会ってみたい。

篠野麻巳美は35歳(!)の少女。いわゆる不思議少女だけど年季がはいっているぶん、そこらの不思議ちゃんをはるかに凌駕している。あまりのおぞましさに嫌悪感を抱く・・・ことはない。「こういうのもありだよね、いやむしろもっとやれ。」という気分にさせられる。僕のなかにも確実に麻巳美的な要素があるから麻巳美の言動を肯定したくなってしまう。まあ35歳のくせに18歳のふりをして女子大生になるのはまだしも、しきりに幼稚園をたとえに出して話するのはいかがなものかと思わないこともないが、可愛いから許す。・・・でも本当に可愛いのだろうか。35歳といえば現実の女性には肉体の衰えが忍び寄ってきているはずだ。ところがこの物語の中の麻巳美は肉体というものを全くと言っていいほど感じさせない。そこがいいところであり、限界でもある。

麻巳美をヒロインにしたエロ小説を読んでみたい。いやこれでも結構エロなんだけど、肉体を感じさせるエロ小説が読みたい。
もう忘れてしまったんだが、白倉由美って漫画家時代どんなものを描いていたのだろうか。「プチアップルパイ」や「漫画ブリッコ」出身だからエロだよね?読んでるはずなんだが、まるで思い出せない。これは宿題だな、古本屋を探してみよう。



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