『娘の友達 第1巻~第4巻』 女子高生にマーキングされた中年男

マンガ『娘の友達 第1巻~第4巻』萩原あさ美著 講談社 第1巻2019年8月8日第1刷発行 第2巻2019年11月13日第1刷発行 第3巻2020年2月12日第1刷発行 2020年5月13日第1刷発行
2020年7月3日(金)読了

(注意!)ネタバレあり

一年前に妻を亡くし、高校生の娘と二人暮らしの中年男・市川晃介(こうすけ)は、会社の帰りに立ち寄った喫茶店でタチの悪い客に絡まれている若い女性店員を助ける。その時はそれだけだったが、後日、晃介が不登校の娘・美也の相談をするために娘の高校に赴いた際にあの女性店員に再会する。彼女は、高校生で娘の同級生だったのだ。
名前は如月古都(きさらぎ こと)という。古都はあの時のお礼に晃介の力になりたいと申し出る。

この物語は、晃介の視点から描かれている。妻を亡くし娘は部屋に引きこもり、会社では中間管理職として様々な問題を抱える責任ある立場である。そういう事情が彼のモノローグや言動から浮かび上がって来る。非常に分かりやすい。この中年男の複雑な心境に幾分か共感したくなる。
一方、女子高生・古都の方はよく分からない。あくまで晃介から見た彼女ということなのでミステリアスなところが多い。そもそも、あの程度の出会いで中年男に接近してくる女子高生っているだろうか?一目ぼれしたとでもいうのか。辛い立場の中年男に同情したのか。まさか。
第1巻で既に二人でカラオケに行くし、突然、二人で新幹線に乗って逃避行めいたこともやらかす。さらに彼女の方からキスしてくる。古都の言葉を信じれば、これが初キスだという。もうこの辺でこの女子高生、ヤバイという気がしてくる。そこが非常に面白い。男が及び腰なのに少女の方が主導権を握り積極的なのがユニーク。
ちなみに、第1巻のラストに第2巻の予告が載っているが、そこで何故かマーキングと言う言葉の説明がある。
 
マーキング【marking】①目印をつけること ②犬や猫が尿などを利用し、自分の縄張りを示す行為。

だそうである。どういうことだろう?第2巻では女子高生が中年男に尿をかけるシーンがあるのか、と期待して第2巻を読んでみるが、残念ながらそういうシーンはない。ただ、古都の夢の中で古都が犬に尿をかけられるシーンはあった。凄く象徴的で暗示的。犬は晃介と見るべきか。いや、逆夢かもしれない。実際にキスをして来たのは古都の方だったし、第2巻のクライマックスで遂に古都がラブホテルに晃介を誘い、二人で入る。そこでも躊躇するのは晃介で抱き着いたり全裸になるのは古都の方だ。尿こそかけないけど、自分の縄張り、自分の所有物として晃介を娘の友達(4) (モーニング KC) [ 萩原 あさ美 ] - 楽天ブックス
娘の友達(4) (モーニング KC) [ 萩原 あさ美 ] - 楽天ブックスマーキングしているのは彼女だ。結局、セックスには至らなかったようだが。

第3巻辺りから晃介の娘・美也の出番が多くなってくる。不登校から脱し、学校に行くようになり、古都とも会話するようになり、さらには新しい男の友達もできる。明るさを取り戻していくに従って、美也の心に湧き上がってくるのは父への不信感。自分の友達である古都と自分の父がただならぬ関係にあるのではという疑念。美也が古都を自分の家に遊びに誘った時の父と古都の態度はその疑念を深めさせる。
一方、古都の方は何か楽し気。美也の家に行く前に自宅のふろ場で全裸で体中のムダ毛剃りするシーンはエロくて怖い。
第3巻のラスト、5人の登場人物がある場所に揃い、そこで晃介と古都の関係が露見するシーンは抜群に上手い。

第4巻は、もう会うことができない、会ってはいけない二人がそれでも紆余曲折を経てやっぱり再会してしまうまでの話。途中、美也の家出などという事件もあるけれど、あまり美也には共感も同情もできない。これが晃介と古都の物語だからだろうか。
そして、第4巻のラスト。それまでも毒親ぶりを何度か見せつけてきた古都の母親がことの真実に気付いたところで終わり。第5巻も波乱の予感。早く読みたい。

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