『人造人間クエスター』 アンドロイドはサイコロの目を自由自在に出せるか

DVD(TVムービー)『人造人間クエスター』THE QUESTOR TAPES 1974年 アメリカ ユニバーサル製作 製作総指揮・原案・脚本:ジーン・ロッデンベリー 監督:リチャード・A・コーラ 出演:ロバート・フォックスワース マイク・ファレル ジョン・ヴァーノン リュー・エアーズ 上映時間96分 日本語字幕スーパー版
2020年2月16日(日)鑑賞

(注意!)ネタバレあり

1970年代以降にたくさん作られたテレビ用映画、所謂TVムービーは今となってはあまり見る機会がないが、これは珍しくDVDされている。『スタートレック』のジーン・ロッデンベリーが製作しているSF作品なので商売になると目論んだか。
ぼくは見ていなかったのだが、日本のテレビ放映時(1977年)に石上三登志が褒めていたのを『キネマ旬報』で読んだ記憶があってずっと気になっていた作品だった。
 
で、見てみたのだが。

う~ん、どうにも古色蒼然という感じ。色々とショボい。どうしても劇場用映画と比べてしまうのでこの当時のテレビの製作予算の乏しさがもろに反映されているようで何となくガッカリ。それはセットとか特撮とかだけじゃなく、映像そのもののクオリティーの低さまで感じられる。この時代のTVムービーに抱いていた「面白かった!」という気分が一気に崩された感じ。まあ、過去のものってそういうことがよくあるけど。

オハナシは、開発中のアンドロイドクエスターが突然、自分の意思に目覚めたのか、元からプログラミングされていたのか、研究所から脱走するところから本題に入る。その際にアンドロイドを組み立てた科学者ロビンソンも無理矢理同行させられる。こうしてアンドロイドと科学者というコンビの逃亡劇が始まる。
まあ、逃亡劇と言っても緊迫感はない。サスペンスとかアクションは皆無。至って緩くのんびりしている。アメリカ人好みのバディものロードムービーの趣きあり。アンドロイドと人間のバディの色々な食い違いの面白さを狙っている。二人でカジノに行き、アンドロイドがサイコロの目を自由自在に出して大勝したりする「お遊び」のシーンが楽しい。
アンドロイドが何故逃亡したかというと、その目的はアンドロイドの生みの親であり、現在は行方不明であるバスロビック博士を探すためである。この辺はまんまメアリー・シュリーの『フランケンシュタイン』だ。創造主であるフランケンシュタイン博士に執着し追い続けるモンスターとよく似ている。
そして、さらに強く感じられるのは聖書の影響。何しろ、バスロビック博士が隠れ住んでいたのがノアの箱舟で有名なアララテ山なのだから、分かりやすい。バスロビック博士はノアか。そう考えると、クエスターは、イエス・キリストか。一度死んでまた甦るし。それまでクエスターを敵視していた男が何故かラストでクエスターを助けるために身代わりになって殺されるし。この人物の行動が謎だが、殉教者と考えればいいのか。

単なるアンドロイドの逃亡劇と思っていると、ラストの意外な真相に驚く。どうやらバスロビック博士は人類の守護者としてクエスターを創ったらしい。アララテ山の内部に広がるスペースにずらっと横たわる人々は人類の歴史を陰から見守っていた人々なのか。それを続けていたのは人類以外の異星人なのか、あるいは人類の創造主なのか。
ここで一気に大風呂敷を広げて、さてその先はと思うのだが、残念ながらこの作品はここで終わり。如何にもテレビシリーズのパイロット版的な「次回に続く」なのだが、シリーズにはならずに中途半端で幕。もったいない。
色々不満もあるがラストの風呂敷の広げ方は大いに気に入った。人造人間クエスター [ ロバート・フォックスワース ] - 楽天ブックス
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