『アナベル 死霊人形の誕生』 君はぼくの輝く太陽

映画(ブルーレイ)『アナベル 死霊人形の誕生』ANNABELLE:CREATION 2017年 アメリカ映画 ニューラインシネマ提供 製作:ジェイムズ・ワン ピーター・サフラン 監督:デビッド・F・サンドバーグ 脚本:ゲイリー・ドーベルマン 出演:ステファニー・シグマン タリタ・べイトマン ルル・ウィルソン アンソニー・ラバリア ミランダ・オットー 上映時間110分 日本語字幕スーパー版
2019年10月5日(日)鑑賞

(注意!)ネタバレあり

人気のホラー映画シリーズ『死霊館』のスピンオフシリーズ『アナベル』の第2作。
ちなみに第3作も既に先日公開されている。ぼくもシネコンに観に行った『アナベル 死霊博物館』である。一度当たるとなるとどんどん続編を作り、さらにそこから派生した作品もどんどん続編を作り、「死霊館ユニバース」として世界を広げていく。その商売上手なこと、アッパレである。
次々作っても粗製乱造という感じがしなくて、そこそこ面白く仕上がっているというのも大したものだ。

さて、今回見た第2作『アナベル 死霊人形の誕生』は、些かネタバレな邦題通りのオチで終わる映画である。前作『アナベル 死霊館の人形』の時代設定1970年代初頭から遡って、約24年前(1940年代後期)に話は始まる。
ある夫婦の一人娘が交通事故で死ぬ。そこで「12年後」というテロップが出る。
その夫婦、マリンズ夫妻が自宅に孤児院の少女たち6人を同居させる決断をして、その6人と付き添いのシスターひとりがマリンズ家にやって来る。だが、その館では次々に怪異が起きて行くのであった。
館ものという縛りは今作でも外さない。ほとんどの出来事が館で起き、プロローグやエピローグを除いては館以外に舞台は変わらない。型にはまりすぎている、という気もするが、話を広げて取っ散らかる危険は避けられる。一軒家で起きるポルターガイスト現象他の心霊現象ももはやお馴染みすぎるくらいお馴染みだが、特段に新手を使うこともなく律義にシリーズを踏襲していく。まあ、違うところと言えば、今回はラスボスの悪魔が本気出しているようでマリンズ夫妻は惨殺されるし、ラストもハッピーエンドではない。
思えば、マリンズ夫妻も哀れである。幼い娘の死に嘆き悲しみ、どんな形でもいいから再会を望んだことがこんな恐ろしい結果になろうとは。
悪魔のささやきに耳を貸してはいけない。

今回、酷い目にあうのは、前述の少女たち6人とシスター。恐怖におびえ悲鳴を上げる美少女、美人は多い方がいいという考え方なのだろうが、7人は多すぎ。人物の描きわけに尺をたくさん費やすとそれだけショックシーンが短くなる。そこで人物の背景をバッサリ削ることになる。監督の解説を聞くとマリンズ夫妻もシスターも本来はもっと描かれていたようだ。
結局、一番酷い目に遭うのは少女たちの中でも年下でポリオを患って足が不自由な少女ジャニスである。一番の弱者を一番痛めつけてみせるという鬼畜な発想だが、見る方も彼女に同情し感情移入するのでこれはある種、上手いやり方。
ショックシーンもルーティンながらよくできているので結構ハラハラする。また、前述したようにルーティンを破って人を殺したりするのも効果的。特に畳みかけるようにショックシーンの連続になるクライマックスが面白い。ジャニスともうひとりリンダを演じた子役が可愛くて演技が上手いのでなお盛り上がる。

この『死霊館』『アナベル』シリーズで共通して一貫しているのは、人形に悪霊が憑りつくとか、少女の霊が祟るとかいうのではなく、全ては悪魔が背後にいて操っているのだということ。悪魔の目的はただ一つ、人間を恐怖に陥れ魂を奪うこと。そして、今回はどうやらそれに成功したらしい。
常に悪魔という存在を持ち出すというところにアメリカはキリスト教の国なんだなと思わざるを得ない。

ラスト前に非常に意味深なシーンがあり、また「12年後」のテロップが出て、そのあとのエピローグで第1作の冒頭に繋がるというのもよくある仕掛けだがなかなか上手くいっている。
劇中でも使われていた「ユーアー・マイ・サンシャイン」という古いラブソングがエンドクレジットにも使われ耳に残る。こんな軽快でメロディアスなラブソングをあえてホラー映画に使用するという遊び心が見事に決まっている。アナベル 死霊人形の誕生【Blu-ray】 [ ステファニー・シグマン ] - 楽天ブックス
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ブルーレイにおまけとして短編ホラー映画「屋根裏」と「貴重品箱」が収録されていて、これも面白い。出演者は女性一人で両作とも同じ人。セリフなし。映像だけで見せていくやり方。本編にあったシーンもここで再現しているのも興味深い。どこか奇妙な味のする短編。
「貴重品箱」に出て来る箱って日本の時代劇に出てきそうな箱。それも面白い。

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