『死霊館』 悪魔祓いにはバチカンの許可が必要

映画(DVD)『死霊館』THE CONJURING 2013年 アメリカ ニュー・ライン・シネマ 監督:ジェームズ・ワン 出演:ベラ・ファーミガ パトリック・ウィルソン ロン・リビングストン リリ・テイラー 上映時間:1時間52分 カラー 字幕スーパー版
2019年7月22日(月)鑑賞

(注意!)ネタバレあり

『デッド・サイレンス』が面白かったので、同じジェームズ・ワン監督の同じくホラー映画『死霊館』を観てみた。
残念ながら、ぼくにとっては「はずれ」の映画だった。コンビを組んでいた脚本家のリー・ワネルが今回は加わっていないことが敗因の一つなのだろうか。『デッド・サイレンス』のあざといまでの破天荒さがなく、一向に盛り上がらない。
敗因は実話をもとにした映画、ということもあるのかもしれない。自由奔放な語り=騙りの面白さはなく至って地味なストーリー展開である。
題材も「呪われた屋敷」という些か手垢のつきすぎたもの。時代は、1970年代の設定なのもちょっと古臭い感じがする。
この映画を観ていて思い出したのは、『悪魔の棲む家』(1978年)というホラー映画だった。あれも実話ベースの作品で、つまらなかったことを記憶している。ただ、その割に後世に意外に影響を及ぼしているのではないか。この『死霊館』も明らかに影響下にあるし、ラストでは会話の中に「アミティブル」という言葉が出てきてニヤリとさせる。

古い屋敷を買って引っ越してきたペイン夫妻と5人姉妹の娘たちが遭遇する怪異の数々、というのはこの手の映画の定番ではあるけれど、犬が殺されたり、娘たちが何かを見たり、ポルターガイスト現象が頻発したりやるべきことはやっている。それがちっとも怖くない。『デッド・サイレンス』でも感じたのだが、ジェームズ・ワン監督は派手派手な見せ場はショーアップして見せるのがうまいが、ショックを小出しにして見せるのはそれほどうまくない。この作品でもやっと盛り上がるのはクライマックス以降。
せっかく5人姉妹の少女たちが出ているのに5人の描きわけもうまくない。挙句の果てに悪魔が憑りつくのは少女たちではなくて、その母親キャロリン役のリリ・テイラーだというのも盛り下がる。いや、リリ・テイラーは迫真の演技なのだ。ただ、お世辞にも美人と言えないのが残念。
そして、もう一つ問題なのは、この映画の主人公はペイン一家ではないということ。彼らを助ける実在の「ゴーストハンター」ウォーレン夫妻のほうが主人公に思えてしまう。怪異に怯える一般人の視点ではなく、怪異に立ち向かうヒーローの視点からの話になっている。
ペイン夫妻と5人の娘の描写がどうもおざなりになっているように感じる。
で、ヒーローものとしてはどうかというと、このウォーレン夫妻、特に夫エドの方は些か頼りない。オカルトに関する知識は豊富なのだが実行力に疑問がある。この屋敷に憑りついているのは悪魔だと喝破するのはいいが、悪魔祓いはバチカンにお伺いを立てて許可が出ないとやれない。もっとも、許可が出ても宗教関係者ではないエドが悪魔祓いをできるわけではない。だが、事態は緊急を要する。ついに悪魔祓いをやったことのないエドがぎこちないながら悪魔祓いをやる羽目になる。この辺は、恐怖というよりもむしろ奇妙なユーモアがあって面白い。
何とかかんとか、悪魔祓いをやり遂げ、悪魔憑きのキャロリンを元に戻す。一件落着、のそのあとにバチカンから悪魔祓いの許可が出るスレチガイもお約束。
このクライマックスは、見せ場の連続でジェームズ・ワン監督の本領発揮という感があり、面白かった。
なお、実在のウォーレン夫妻に関しては、尾之上浩司編著『ゴースト・ハンターズ完全読本』(洋泉社)に詳しく記述されている。死霊館【Blu-ray】 [ ベラ・ファーミガ ] - 楽天ブックス
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