『デッド・サイレンス』 腹話術師は何故殺される?

映画(DVD)『デッド・サイレンス』DEAD SILENCE 2008年 アメリカ ユニバーサル映画 監督:ジェームズ・ワン 脚本:リー・ワネル 出演:ライアン・クワンテン ボブ・ガントン アンバー・ヴァレッタ ドニー・ウォルバーグ ジュディス・ロバーツ 上映時間1時間31分 日本語字幕スーパー版
2019年7月21日(日)鑑賞

(注意!)ネタバレあり

『ソウ』のジェームズ・ワン監督、リー・ワネル脚本によるホラー映画。珍しくも腹話術師と人形がモチーフになっている。それがどこか古風な雰囲気を醸し出している。

都会に住むジェイミー・アーシェン(ライアン・クワンテン)のもとに差出人不明の腹話術人形が送られて来る。不審に思っていたジェイミーであったが、そのすぐ後で惨劇が起きるとは予想だにしなかった。
外出先から帰宅した彼を待っていたのは、舌を無残にも切断され殺された変わり果てた妻の遺体だった。
捜査に当たった刑事リプトン(ドニー・ウォールバーグ)はジェイミーを妻殺しの犯人と推理して執拗に接触する。
ジェイミーは、この事件の真相を解くカギが彼が生まれ育った故郷の町レイブンズ・フェアにあるのではと思い、何年振りかで帰郷する。そこには仲違いした父エドワード(ボブ・ガントン)がいたが、いつの間にか父は車椅子生活をしていて、しかも若い妻エラ(アンバー・ヴァレッタ)と再婚していたのだ。
ジェイミーは、真相に辿り着けるのか?

と、いうのが導入部。ここの掴みはなかなか上手い。『ソウ』の監督、脚本コンビによるものなのでショック描写もなかなかのもの。ただ、故郷の町でジェイミーがいろいろ探って行って怪しい出来事が起きるという前半部はそのショック描写も抑え気味でやや地味に感じる。緊迫感にも欠ける。主人公にも今一つ魅力に欠けるところがあるし、この町まで追いかけてきてジェイミーに付きまとう刑事の存在もちょっと無理矢理。
むしろ後半部、次第に真相が明らかになって派手な見せ場の連続のクライマックスから意外なラストに至るくだりは、前半部の退屈さを補っておつりがくる。ジェームズ・ワン監督は、こういう怒涛の展開に力を発揮するようで見応えがある。

(警告!)全ての真相に触れるネタバレあり

この町レイブンズ・フェアにあった劇場で人形を使った腹話術を披露していた女性腹話術師メアリー・ショウ(ジュディス・ロバーツ)がいた。どこか不気味で如何にも怪しい雰囲気の女だ。腹話術の最中に客席の子どものヤジに対する反応も少し異常。
ある日、その子どもが行方不明になる事件が起き、そのメアリーが疑われた。日ごろから彼女を快く思っていなかったのか、町の人々は彼女に集団リンチを加え、舌を切り取って殺してしまった。その集団のリーダーが、ジェイミーの先祖であり、行方不明の子どもはジェイミーの大叔父だった。
やがて、集団リンチに加わった人々が次々に殺されて行くようになる。いずれも舌を切り取られて。

メアリーの亡霊が蘇り人々を殺し、長い年月が経っても関係者の子孫までも殺していた。七代祟る、というのは日本だけかと思ったが、アメリカにもこういう子々孫々まで皆殺しだという発想があるというのが面白い。
ジェイミーの妻が殺された理由も、彼女のお腹にジェイミーとの間にできた胎児がいたからだというのもエグい。

では、メアリーは冤罪かというとそうではなく、行方不明の子どもは彼女が殺していた。肉体を一部を腹話術の人形にするために。どうやら他にも殺しているらしい。集団リンチは酷いけれど、こちらも無茶苦茶である。
日本の女性の幽霊だと、お岩様や貞子みたいに哀れな被害者が死後に復讐するという形で観ている方も幾分かの同情を抱いたりするのだが、こっちは全くそういうことはなし。生前から極悪非道な人間は亡霊になっても極悪非道なまま。そこがむしろ気持ちいい。

そして、一番衝撃的なのはラストで明かされる真相。実はジェイミーの父親はすでに殺され、人形になっていて、それを隣にいる妻のエマが操っていた。そしてエマはメアリーの化身だったのだ。
腹話術師ホラーというから腹話術の人形が人間を殺しまくるだけの作品かと思ったがこんなサプライズがあったとは。後味は滅茶苦茶悪いが、ホラー映画としては非常に面白い。デッド・サイレンス【Blu-ray】 [ ライアン・クワンテン ] - 楽天ブックス
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