『アナベル 死霊館の人形』 君は友だちのために死ねるか?

映画(DVD)『アナベル 死霊館の人形』ANNABELLE 2014年 アメリカ ニューラインシネマ 監督:ジョン・R・レオネッティ 製作:ジェームズ・ワン 出演:アナベル・ウォーレス ウォード・ホートン トニー・アメンドーラ アルフレ・ウッダード 上映時間1時間39分 日本語字幕スーパー版
2019年7月30日(火)鑑賞

(注意!)ネタバレあり

ホラー映画『死霊館』シリーズのスピンオフ。『死霊館』第1作の冒頭に出てきた人形アナベルをメインにしてストーリーを展開している。ウォーレン夫妻は登場しない(厳密にいえば、登場人物の会話で夫妻の話が出る)。
尾之上浩司編著の『ゴースト・ハンターズ完全読本』(洋泉社)によれば、このアナベルという人形は実在していて今もウォーレン夫妻の博物館に展示されていて大勢の見物客が訪れているという。もっとも、この本に載っている実際のアナベルの写真とこの映画のアナベルは全く似ていない。映画的にとことん誇張されすぎて、見るから容貌魁偉でとても女性が欲しがるような見た目ではない。
アナベルは実在だが、この映画のストーリーは実話とは程遠い創作であるようだ。

時代設定としては1970年代初頭であろうか。テレビでチャールズ・マンソンファミリーの事件が報じられているシーンがある。そしてそれは単に時代背景描写のために入れているのではなく、メインの話に大きく関わって来る。

身重の妻ミア(アナベル・ウォーレス)と夫ジョン(ウォード・ホートン)のファーム夫妻が住む家に突然押し入って刃物を振りかざす若い男女。それは悪魔崇拝のカルト教団のメンバーだった。闖入者はふたりとも死に、ファーム夫妻もケガをするが、命に別状はなかった。だが、そのあとから臨月間近の妊婦ミアの周辺で心霊現象らしきものが次々起きる。
もう、この辺が結構怖すぎというかエグい。亡霊らしきものをハッキリ見せたり、突然、ミシンが動き出したりとかそれほど派手派手ではないけれど、何しろお腹の大きな妊婦がやられるのでドキドキする。作り手も相当に意地が悪い。
挙句の果て、火事が起きてしまうが、何とかミアは逃げ出し、病院で赤ちゃんを出産する。
縁起の悪い家から別の家に夫婦と赤ちゃんで引っ越すのだが、今度は赤ちゃんともどもミアが心霊現象に襲われる。妊婦の時も出産後も容赦なく迫って来る亡霊。その執拗さがホラー映画として見ると面白くできている。
不吉だと捨てたはずの人形がいつの間にか引っ越し荷物の中に戻っているとかいう展開も定番だけど上手い。

ゴースト・ハンターのウォーレン夫妻は登場しないので、ミアとジョンの夫妻が頼るのは教会の神父(トニー・アメンドーラ)。こういうのがいかにもアメリカ映画らしい。教会というものが非常に重要な存在であるということがよくわかる。
もう一人、ミアが出会った黒人女性エブリン(アルフレ・ウッダード)が何かとミアにアドバイスしてくれる。

そして、これも如何にもアメリカのホラー映画らしいのだが、亡霊の背後には悪魔がいるらしいことが分かって来る。くだんの悪魔崇拝のカルト信者が呼び出した悪魔が信者の亡霊を操ってミアや赤ちゃんを危険にさらしているのだ。悪魔の目的はズバリ人間の魂。だが、それはその人間の承諾がなければ奪い取ることはできない。
神父が倒され、悪魔は強力なパワーでミアに襲い掛かる。赤ちゃんの命のために自らの魂を犠牲にしようとしたミアだったが、土壇場で彼女を救ったのは友だちになったエブリンだった。彼女はアパートの窓から身を投げ死んだ。悪魔は目的を達したのだ。

自己犠牲というのがこの作品のテーマで、冒頭、教会で神父が「友のために自己を犠牲にすることが尊い」みたいなことを言うあたりからつながっている。ただ、知り合ってから間もないエブリンがミアのために自分の命を捨てるというのがどうにも合点がいかない。まだ友だちと言えるような間柄か?と思い、ご都合主義に見えてしまう。エブリンという女性が過去に娘を死なせてしまったという負い目があり、今度は務めを果たしたいという気持ちがあったというのは説明されるが、とってつけたよう。黒人女性が白人女性のために死ぬというのもスッキリしない。それにただ死んだだけでなく悪魔に魂を奪われたのだから、永遠に成仏しないということになるのだろうか。

肝心のアナベル人形が結構出番が多いわりにさほど印象に残らない。この人形のヴィジュアルもどうも好きになれない。アナベル 死霊館の人形【Blu-ray】 [ アナベル・ウォーリス ] - 楽天ブックス
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