『映画 賭ケグルイ』 滾(たぎ)ってしまいますわ

映画『映画 賭ケグルイ』2019年 日本 配給:ギャガGAGA★ 原作:河本ほむら 作画:尚村透 監督・脚本:英(はなぶさ)勉 脚本:高野水登(みなと) 出演:浜辺美波 高杉真宙(まひろ) 森川葵 宮沢氷魚(ひお) 福原遥 伊藤万理華(まりか) 松田るか 柳美稀(みき) 岡本夏美 中村ゆりか 三戸なつめ 矢本悠馬 上映時間119分
2019年5月3日(金)公開
2019年5月5日(日)鑑賞 TOHOシネマズ西新井スクリーン7 13時50分の回 座席B-5 入場料1100円(シニア割引) パンフレット800円

(注意!)ネタバレあり

原作は、人気ギャンブル漫画。既にテレビアニメ(1期、2期)、実写ドラマ(1、2期)にもなっていて、今回は満を持してという感じで映画版登場である。しかも、原作にはないオリジナルストーリーだということでいやが上にも気持ちが盛り上がる。原作、アニメ、ドラマと全部お付き合いしてきたぼくとしては非常に気になるので、公開3日目にシネコンに勇んで観に行った。

この映画もまた『アベンジャーズ/エンドゲーム』同様に一見さんお断りの映画だ。これまでに『賭ケグルイ』の漫画かアニメかドラマのどれか(もしくは全部)に触れた経験があったかなかったかでずいぶん評価を分ける作品だと思う。ま、この作品に対して全く白紙の状態でもそこそこ面白く観られるかもしれないが、登場人物がいかなるキャラなのか、これまでどんなストーリーが展開されてきたのかをある程度把握していれば、面白さも増すというものである。そもそも今回の映画は、一応ドラマの第2期の続きというニュアンスで、撮影時期も両者はダブっているらしい。

この映画の良いところは、徹底しているということである。カメラは、私立百花王学園という舞台から外へは全く出ない。すべてのお話は学園内で始まり、そこで終結する。
所謂学園ものではあるけれど、勉強するシーンもスポーツするシーンもない。何より教師をはじめとする大人が全く出てこない。あくまでもギャンブルに興じる生徒たちしか出て来ない。
そして、若者だけしか出てこない学園ものなのに普通の恋愛シーンは全くない。ま、それは見かけだけで非常にゆがんだ形での別の意味の「恋愛」が描かれていると思うが。

一番気になったオリジナルストーリーの件だが、原作には全く登場しない新キャラを生み出して原作には全くないストーリー展開になっている。これが、原作(およびアニメ、ドラマ)ファンには、結構刺激的である。
新キャラとして登場するのは、「非ギャンブル、不服従」を掲げる反生徒会組織ヴィレッジのリーダー・村雨天音(宮沢氷魚)と組織の幹部・歩火樹絵里(福原遥)、そして武装集団のリーダー・犬八十夢(伊藤万理華)。
絶大な権力を持つ生徒会長・桃喰綺羅莉(池田エライザ)率いる生徒会に公然と反旗を翻す組織がいるというのは原作には全くないので結構思い切ったオリジナルな設定である。しかも、村雨は、かつて一度だけ綺羅莉にギャンブルで勝ったことがあるというのもかなり大胆。無敗無敵の絶対王者で最強のラスボス・綺羅莉をこういう風に「改変」してもいいのだろうか。この辺は賛否が分かれるところだろう。ただ、原作者がシナリオ原案も兼ねているので、その辺は原作にないものを映画で見せてあげましょうというサービス精神と思うことにした。

反生徒会のヴィレッジと蛇喰夢子を潰すために生徒会が仕掛けたギャンブル勝負は、まず予選で「票争奪ジャンケン」そして本選で「デュアルクラッシュ・ポーカー」。いずれもルールが簡単で分かりやすいし、ヴィジュアル的にも有利不利がすぐ見分けられる。この手のギャンブルを扱った漫画や映画では、マンネリを避けるためか凝ったギャンブルを考えがちだ。実のところ、この『賭ケグルイ』の原作漫画にも幾分、分かりにくい複雑なギャンブルが出てくる。今回は、それを避けるため、ジャンケンとポーカーという思い切りシンプルなものにしている。
それが成功の要因。

ただ、そうなってくると、今度はギャンブル漫画の金字塔『カイジ』に似てきちゃうのは困りもの。特に「票争奪ジャンケン」は、『カイジ』の「限定ジャンケン」にそっくり。ま、ジャンケンというものを持ってきた段階で『カイジ』に最接近してしまうのは当然か。作り手もそれは承知の上でやっていて、これはこれで面白くできている。
何しろ『カイジ』では、全く出てこない美少女たちがこちらではギャンブルに興じるのだから、その可愛さだけとってもこっちに軍配を上げたい。
そう、これはギャンブルものといっても美少女たちのギャンブルものであり、そこが違うところ。確かに男キャラも出てきてそれなりの活躍をするが、あくまで主体は美少女たち。彼女たちがギャンブル勝負で戦い、美しい顔をゆがませて怒ったり叫んだり号泣したり絶頂に達したりする姿を見せるのが眼目である。
特に本作のヒロインである蛇喰夢子がギャンブルの快楽に酔いしれて恍惚となって「滾ってしまいますわ」というシーンが一番顕著なのだが、実はこれって、ギャンブルを描いているようでセックスを描いているのではないか。
暗喩というにはあまりにあからさまで、一歩間違えばアダルトビデオになることを一般映画でやっているということになる。

蛇喰夢子を演じる浜辺美波が素晴らしい。ドラマシリーズ1期、2期を経て、蛇喰夢子という役を自家薬籠中の物にしている。どこか邪悪さも漂わせ、狂気も闘争心も隠さず、残忍で冷酷、しかも美少女で可愛らしいピュアな気持ちを忘れないというとんでもない役を見事に演じきっている。

(つづく)



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