『検察側の罪人』 ぱっ

映画『検察側の罪人』

(つづき)

(警告!)ネタバレあり

いや、そもそもネタバレというなら、この『検察側の罪人』というタイトル自体がネタバレなんじゃないか。観る前は、アガサ・クリスティーの『検察側の証人』をもじったタイトルくらいにしか思わなかったけれど、観てみれば、なんと本当に検察側に罪人がいる。真相を示唆したタイトルだったのか。物凄く大胆な遊び。

原田眞人監督(脚本も担当)のちょっと普通じゃない特異なセンスが全編に横溢している、悪く言えば、奇を衒っている。もっと悪く言えば、単なるハッタリ。良く言えば、外連味。うまくいっているところとダメなところとさまざまであるが、どちらも原田眞人らしいとは言える。
川の向こう岸で何か舞踏のようなことをしている集団がいる、というシーンがあって、その後の葬儀のシーンで暗黒舞踏みたいなパフォーマンスがある。普通だといらないと言えばいらないシーンで浮きまくっているが、これも味か。何か異様な集団を分かりやすく見せたというところか。
検事最上(木村拓哉)の家庭でのシーンがいくつかあるが、妻と娘の描写がやけに思わせぶりなんだが、その割に話に絡んで来ることもない。家族の不和による最上の孤独感を描きたいのかと思うと、3人で外出してディナーしているし。妻も娘も良く性格が分からない、何か異様。
検事沖野(二宮和也)と検察事務官橘(吉高由里子)が、キスしてそれからセックスする流れ。肝心のセックスシーンは描写されないのだが、その事後のシーンの二人の体位がとても変。普通はこういうシーンだと二人が頭を並べて会話するのだが、二人とも仰向けで頭と足が逆に重なり合っている体勢、う~ん、説明するのが難しい。こんなの初めて見た。原田眞人監督、本当に変。

木村拓哉、二宮和也を始めとして俳優陣がみんないい。しかも結構今までのイメージとは違う役にチャレンジしている人も多い。木村拓哉なんてその筆頭だろう。これは相当難しい役だ。
吉高由里子の役も人気女優の彼女がやるには、些か地味かと思うのだが、観ているうちにだんだん重要度を増してくる。ただ、潜入取材のために試験を受けて検事事務官になるというちょっと非現実的な役なので、これも相当難しい役だ。
原田監督云うところのこの映画の「三悪人」、諏訪部(松重豊)、弓岡(大倉孝二)、松倉(酒向芳)が非常に上手く描かれているのも、演出のお蔭と3人の俳優の卓越した演技力によるものだろう。いずれも悪人ではあるけれど、それぞれタイプの違う悪人にきちんと描かれている。3人とも日常生活では全く出会いたい人間ではない。
検察側の罪人 下 (文春文庫)
文藝春秋
2017-02-10
雫井 脩介

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック