『ジグソウ:ソウ・レガシー』 「さあ、ゲームをしよう」

映画『ジグソウ:ソウ・レガシー』JIGSAW 2017年 アメリカ リリース:ライオンズゲート 製作:ツイステッドピクチャーズ 配給:アスミック・エース 監督:スピエリッグ兄弟 脚本:ジョシュ・ストールバーグ ピーター・ゴールドフィンガー 出演:マット・バスモア カラム・キース・レニー クレ・ベネット ハンナ・エミリー・アンダーソン ローラ・ヴァンダーヴォート トビン・ベル 上映時間92分 日本語字幕スーパー版 日本語字幕:松浦美奈
2017年11月10日(金)日本公開
2017年11月14日(火)鑑賞 TOHOシネマズ西新井スクリーン7 18時25分の回 座席B-5 入場料1100円(シネマズデイ割引) パンフレット720円

(注意!)ネタバレあり

映画『ソウ』シリーズ最新作。シリーズ通算8作目。残念ながら、第1作の『ソウ』(2004年)を東京ファンタで見ただけで続編はまるで見ていない。これが、久々の『ソウ』である。

冒頭、一人の男が警察に追われるアクションシーンから始まる。男は警察に追い詰められ、「5人が監禁されている、ゲームが始まる」と言い放つ。男は、警官に銃で撃たれ倒れる。
密閉された部屋。5人の男女が目を覚ますと、彼らは鎖に繋がれ、頭には目の部分がくり貫かれたバケツが被せられていた。鎖の先には丸鋸刃(まるのこは)が回転し、鎖が引っ張られ、彼らはそれによって丸鋸刃に近づいていく。ゲームが始まったのだ。

拉致監禁した5人の人間をさまざまな機械仕掛けで拷問、処刑するというオハナシ。5人はそれぞれ法律で裁かれなかった「殺人犯」であることが次第に明らかにされていく。ゲームの主催者は、非常に歪んだ正義感の持ち主。要するにアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』の残虐ヴァージョン。世の中、何でも応用だなあ。
もっとも、この映画の場合、「殺人犯」と言ってもさほど極悪な奴はいない。明確な殺意を持って人を殺したというのはない。不良品と知っていながらバイクを売って、そのバイクが事故を起こして人が死んだとか、自動車を走行中に後部座席で悪乗りして騒いだので運転手がそれに気を取られて死亡とか、路上でお金をひったくったら、相手が倒れて死んだとか、育児ノイローゼで衝動的に赤ん坊を窒息死させたとか、最後のはちょっと酷いが、それ以外はどう見ても殺人じゃなく、過失致死にもなるかどうか。何だか無理矢理ひねり出した感あり。
だからと言って、この人たちに同情的になるかと言うとそうでもない。かと言って憎むほどでもない。彼らの事情が、フラッシュバックで簡単に説明されるだけで、彼らがどういう人間かは深く描かれないせいか。それよりも、次々に機械仕掛けの責め苦にあえぐ姿を見るのが面白いということか。本当にゲームの駒と云う感じ。

ゲームをクリアできない者は一人また一人と無残に死んでいく。密室で一人死ぬ度に外部に運ばれて晒し者にされるので、警察は捜査に乗り出す。一体、どこでゲームが行われているのか。10年前に死んだ殺人鬼ジグソウが甦ったのか。
正直言って、密室の処刑ゲームと外部の警察の捜査が交互に描かれているのは、実に興を削ぐ。もっと、じっくりと残虐シーンを見たいのに、遅々として進まない警察側の話になると、テンションが下がる。オハナシのテンポも悪くなる。この構成は失敗だな、と思っていたのだが、実はこれこそがこの映画の肝だったのだ。まるで気付かなかった。

(再度、注意!)ネタバレあり

この映画には、ミステリ小説でいうところの叙述トリックが使われている。我々観客は、5人の人間が次々に殺されていくのとその事件を警察が捜査しているのを見ていると思っているが、実はそこには10年のタイムラグがあった。処刑ゲームは、10年前に起きたことで、警察の捜査は現在のもの。10年前とは別に現在においても殺人が行われていて、警察はそちらを捜査していたのだ。これにはまんまと騙された。犯人が警察を騙したのではなく、この映画の作り手が観客を騙したのだ。そこが非常に面白い。
犯人の真の目的は、本当に悪い人間を警察内部からあぶり出すためだった、というのも意外性があっていい。犯人が、
「俺は、死者の代弁者だ」
と大見得切るところは笑ってしまったが。これならシリーズはまだまだ続くだろう。

面白かったけれど、機械仕掛けの処刑道具に今一つインパクトが欠ける。もっとユニークでアッと言わせるようなものが欲しかった気がする。
狭い空間に閉じ込められ、上から穀物が大量に降ってくるというのは、『刑事ジョン・ブック 目撃者』の真似かな。銃の引き金を引くと、銃のうしろから弾が出て、銃を撃った人間を殺すというのはスパイ映画や『プリズナーNO.6』にあった手だ。

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