『相棒16 初回スペシャル 検察捜査』 特命係に捜査権はない

ドラマ『相棒16 初回スペシャル 検察捜査』脚本:輿水泰弘 監督:橋本一 出演:水谷豊 反町隆史 鈴木杏樹 川原和久 山中崇史 山西惇 浅利陽介 片桐竜次 小野了 田辺誠一 中村俊介 中村ゆり 芦名星 榎木孝明 大杉漣 仲間由紀恵 石坂浩二
2017年10月18日(水)21時~22時24分放送 テレビ朝日

(注意!)ネタバレあり

妻殺しの容疑で警察に逮捕され、拘留中の男・平井陽(中村俊介)が、特命係の杉下右京(水谷豊)・冠城亘(反町隆史)、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)・芹沢慶二(山中崇史)の4名を弁護士を通じて脅迫で告訴した。警察は受理しなかったが、検察は受理し、特命係に恨みを持つ法務次官・日下部彌彦(榎木孝明)はこれをチャンスと見て、検察官・田臥准慈(田辺誠一)に事件の捜査および特命係潰しを命じる。
田臥は、まず特命係の二人に会い、事件の概要を聞くのだったが・・・。

待望のシーズン16のスタートである。例によって、放送時間拡大のスペシャルなので派手派手な事件かと思いきや、ちょっと意外な展開。まさか、シーズン16まで来て、「特命係とはどんな存在なのか」を問い直す話を持ってくるとは。
田臥によって、ここで改めて特命係の特異性が明らかになる。警察内において、特命係は組織図から外れていて、誰かの指揮下で行動しているわけではないこと。冠城亘の上司は杉下右京だが、杉下右京の上司はいない。そもそも、特命係に捜査権はない。主に杉下右京が、個人的興味で首を突っ込んで、勝手に捜査しているのすぎない。警察上層部は、特命係を疎ましく思ってはいるが、取り潰すことも出来ず、黙認しているような状態。特命係は独立した存在である。
そんなことが、今さらだけど、指摘される。長らく『相棒』を見ている者には、周知のことではあるけれど、ここで改めて強調して説明されると、なるほどと思う。
どうして、ここに至ってこういうことをやったのだろう。新シーズンに当たって、新しい視聴者に特命係を紹介・説明する必要があったのか。もう一度、原点に立ち返る意味があったのか。
ともあれ、このやり方は非常に面白い。

一方、妻殺しの平井陽の事件は、杉下と冠城が最初からの経緯を田臥に語るという形式。回想なのでいささか盛り上がりに欠けるが、それでもこの容疑者の異常性が垣間見えて面白い。
平井陽は、実業家で大金持ち。三番目の妻の事故死で特命係が乗り出したのだが、実は前の二人の妻も事故死している。所謂「青髭」なのか。だが、動機は?
杉下右京は、カネ目当ての犯行ではないと見る。平井陽が、不要なものを焼却処分にすることに非常にこだわる性格であることを突き止め、妻たちも不要になったから殺し、火葬にしたのではないかと推理する。
かなり、無茶苦茶な話。妻が不要なら離婚すればいい話だし、殺すというのは飛躍が過ぎる。そういう異常な人間だったと言ってしまえばそれまでだが。
実は、今回で終わりではなく、次回につづくという形なので、そこでより深い事情が明かされるかもしれない。

平井陽の女性弁護士と特命係との会話。
「特命係って聞いたことない。特命最前線?」
「それはドラマです。しかも、正確には特捜最前線」
こういう楽屋落ち的ギャグは『相棒』では珍しい。

平井陽が子供の頃に家政婦だった高齢の女性に特命係が話を聞きに行く。
「坊ちゃん(平井のこと)は、ろくでなしだった。人を殺したと聞いても驚かない」
というこの女性の名前は、洌(きよ)。
夏目漱石の『坊ちゃん』に登場して坊ちゃんに愛情を注ぐ家政婦の名前は、清(きよ)。
これもギャグだろうか。


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