『ザ・クラウン シーズン1 第1話 カモ狩り』 英国王のジョーク

テレビシリーズ『ザ・クラウン シーズン1 第1話』THE CROWN 2016年 イギリス・アメリカ合作 製作総指揮・監督:スティーヴン・ダルドリー 脚本:ピーター・モーガン 出演:クレア・フォイ マット・スミス ジョン・リスゴー ジャレッド・ハリス 日本語字幕スーパー版
2017年10月21日(土)鑑賞

(注意!)ネタバレあり

イギリスの現在の女王陛下であるエリザベス二世を描く伝記ドラマ。まだ91歳で御存命で公務もこなしておられる女王陛下をテレビシリーズにしてしまうというのが、ビックリ仰天。さらにビックリなのは、決して女王を美辞麗句で綺麗キレイに描くのではなく、随所にシニカルなユーモアを仕込んで、ピリリと苦い毒があること。そこが凄い。

話は、エリザベス(クレア・フォイ)がまだ即位前の王女のころ、フィリップ(マット・スミス)との結婚式から始まる。まず、フィリップがギリシャからイギリスに帰化するシーンがあり、ここも驚く。彼はイギリス人ではなく、外国人だったのか。まあ、今さら驚くことでもないか、ヨーロッパの王室では歴史上、国を越えての結婚とか別に珍しくもないだろう。ただ、このフィリップ、結婚してフィリップ殿下と呼ばれる男性の描写は、何だか悪意があるようにちょっと思ってしまう。チャーチル首相(ジョン・リスゴー)なんかは、
「奴(フィリップ殿下)の姉三人は、ナチスに嫁に行った」
なんて毒舌を吐くし、そもそもフィリップ殿下自身が、いつも上目づかいで人を見るような感じでとても好人物とは思えない。これが実話ドラマと知らなければ、
「このフィリップ殿下という男、何か陰謀を企んでいるに違いない」
と思ってしまうかもしれない。

描写が辛辣なのは、フィリップ殿下だけではなく、エリザベスの父である国王陛下ジョージ6世(ジャレッド・ハリス)も同様。娘の結婚式に際して緊張している国王陛下に側近のものが、緊張をほぐそうとしてか、下ネタエロジョークを話し、国王陛下もエロジョークで返すとか、イイのかな、というシーンだ。手術で片方の肺を切除したあとでもタバコをガンガン吸っているとか、まあ、史実なんだろうけど、あまりいいイメージはない。その辺を敢えてやってしまうところが非常に面白い。国王陛下が、上手く言葉が出ずに話に詰まるシーンなどは、国王陛下の吃音障害とその矯正を描いた名作映画『英国王のスピーチ』(2010年)を思い起こさせる。

あと、さほど出番が多いわけではないのだが、その存在感で非常に目立っているのが、チャーチル首相。演じるのは、ジョン・リスゴー。このキャスティングを聞いたときは、
「ジョン・リスゴー、チャーチルに似てないじゃん」
と思ったが、体を増量し、メイクを工夫して、さらに演技力で補強すると、やっぱり、チャーチルという感じがするのだから、ジョン・リスゴーは大したものである。どこか尊大で抜け目なく、意地が悪そうな感じがピッタリである。

第1話は、まだエリザベスは王女の立場だし、周りの男どもの描写が多くてあまり見せ場がない。クライマックスで医師から国王陛下が余命宣告されるあたりから不穏な感じが出て来て、次回に期待を持たせてくれる。
上手い。
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