mebae『罵倒少女』 お前がどれだけ役立たずか、私が教えてやる

マンガ『罵倒少女』mebae著 KADOKAWA 2016年8月10日初版発行 2016年8月30日再販発行
2016年9月17日(土)読了

(注意!)ネタバレあり。

ネットで何度か画像を見て「おっ、いいね」と思っていた。本になったというので購入して読んでみたら、意外や意外、単なるイラスト集だとばかり思っていたら、ちゃんとストーリー性のあるマンガ(といってもいいだろう)ではないか。ビックリ。
ある日、突然、クラスの明るい人気者の美少女に罵倒されたことからストーリーは始まる。ストーリーは、顔と体が全く描かれない(でも1シーンだけ顔の一部が見える)主人公の男(多分)のモノローグによって進行する。絵として描かれるのは罵倒する美少女だけ。最近のアダルトビデオによく似ている。主人公の男の目線で話が進み、カメラで映し出されるのは相手の女性ばかりというやり方だ。そこには「男なんか一ミリも観たくない!」という切実なアダルトビデオユーザーの血の叫びの反映があるようだ。

最初から最後まで少女素子は、相手の男(名前はない)を罵倒していくのだが、それがセクハラでもパワハラでもなく愛情表現に思えてくるのが上手いところ。上下関係のような関係性がないせいもあるか。単なるクラスメートで別段弱みがあるわけでもない。かといって実はツンデレでした、というオチが用意されているわけでもない。
でも、少女は男を嫌って罵倒している筈なのに、何故か二人はセックスしてしまう。そこが意外でもあり面白いところでもある。これって男の一つの理想だと思う。美少女に日常的に罵倒され続けて、セックスまでさせてもらって、さらにセックスが下手だと罵倒される。これほどのご褒美は人生においてそうはない。
 
罵倒する少女の表情が実に豊かで魅了される。単に相手を見下して侮蔑した表情だけでなく、激昂したり、憐れんだり、冷酷だったり、優しかったり千差万別。そこが何度見ても飽きが来ないゆえんである。

本当に相手を嫌悪しているのなら、相手を無視して近寄ろうとはしない筈。それがわざわざ面と向かって罵倒し続けてセックスするというのは、愛とは言えないかもしれないが、心が惹かれている証拠ではないか。確かにツンデレ的に甘くなることはないが、罵倒の端々に「惨めだな、お前」とか「正直、哀れすぎる」という言葉が見られる。「可哀想ってのは、惚れたってことよ」という昔の人の名言もあるのだ。

でも、結局、二人は別れたようだ。これが付き合いと言えるなら。その時の少女のセリフがいい。
「良心がまったく痛まないよ。だってお前って本当に最低だもんな。」
そして、その時の少女の笑顔が美しい。
 
もうこれは、アニメ化、実写化希望としか言いようがない傑作である。心絞めつける愛の名作だ。
罵倒少女
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-08-09
mebae

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