『アナスタシア』 ワンス・アポン・ア・ディセンバー

DVD『アナスタシア』ANASTASIA 1997年 アメリカ 20世紀フォックス 製作・監督:ドン・ブルース ゲイリー・ゴールドマン 音楽:デヴィッド・ニューマン 声の出演:メグ・ライアン ジョン・キューザック アンジェラ・ランズベリー クリストファー・ロイド キルステン・ダンスト 上映時間94分 アニメ 日本語字幕スーパー版
2015年10月3日(土)鑑賞

(注意!)ネタバレあり

ロシア最後の皇帝一族ロマノフ家は、革命によってその命を絶たれた。だが、ただ一人皇帝の娘アナスタシアだけは生き延びて、どこかで暮らしている。
そんな虚実定かでないが興味深い話を長編アニメに仕立てた作品。まずこの題材が面白いと思った。ただこれをストレートに作ると結構深刻で暗い話になりそうだ。ロシア革命、殺された皇帝一族、暗躍する怪僧ラスプーチンとくるのだから。子どもの観客にはちと荷が重い、というか理解できないだろう。
そこで作り手は、ミュージカル要素を加味して口当たり良くしている。ストーリーは、成長した(でも記憶を失っている)アナスタシアをヒロインにして面白く作っている。アメリカ映画伝統の列車活劇シーンもあり、これがなかなか良く出来ていて迫力がある。
さらにヒロイン側には犬、敵役ラスプーチン側にはコウモリといかにも子どもが喜びそうだと大人が考えそうな小動物キャラを配置して抜かりがない。

ラスプーチン(声:クリストファー・ロイド)は、ロマノフ家を憎むあまり悪魔に魂を売り、魔術を使って一族を抹殺する男に描かれている。何だかロシア革命も彼の魔術が引き起こしたみたいな感じ。
彼は一度死んで異界に堕ちたが、アナスタシアが生きていると知り、甦った。だけど腐りかけているので、油断すると目玉や手首が外れてしまう、というブラックユーモア溢れるギャグがいい。
アナスタシア(声:メグ・ライアン)は、美しくて強い女性なんだが、どうも美しいばかりで可愛らしさがない。その辺が、アメリカのアニメのヒロインに感じるギャップなのかもしれない。どうも外見に惹かれないんだよなあ。何だかおっかなく見えてしまう、萌えないのだ。逆に言えば、そういうのを見て日本とアメリカの違いを考えるのも一つの愉しみかも知れない。

一応、史実を踏まえているので、ラスプーチンの魔術以外は、さほど破天荒なストーリー展開はない。
詐欺師ディミトリ(声:ジョン・キューザック)が、大金をせしめるために利用しようとしたアナスタシアが本物の王女であることに気付き、皇太后(声:アンジェラ・ランズベリー)からお金を受け取らないで引き渡す下りなんかは、ストレートな作り。ディミトリの真意を知ったアナスタシアが、王女になることを止め、ディミトリと駆け落ちするラストは予想通りとはいえ、嬉しくなる。
普通の童話だと、孤独な少女が結婚して王女になるのがハッピーエンドだが、王女にならないのがハッピーエンドというのが面白い。ま、王女といっても、統治する国はないのではあるが。名前だけの王女よりも愛を選んだというのが綺麗な印象。

ミュージカルとしては、「ワンス・アポン・ア・ディセンバー」という曲が哀愁ある良い曲である。

DVDについている映像特典にあるメーキングが面白い。
まず、メグ・ライアン、ジョン・キューザックら声の出演者が、台本を読んで声の演技をする。さらに別の俳優たちが、全シーンの演技をする。そのあとで、声と演技に合わせて絵を描いていく。そんなやり方をしたという。
絵が一番最後だということに驚く。そして、全シーンを人間が演技して、それを見て絵ができるということにも。
物凄く手間のかかる作業だと思う。
アナスタシア [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2014-11-21

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