『人間仮免中』 生きてるだけで最高だ!

マンガ『人間仮免中』卯月妙子著 イースト・プレス 2012年5月22日第1刷発行 2012年12月15日第7刷発行
2015年6月19日(金)読了

凄まじいマンガ、としか言いようがない。しかもこれが実体験なのだという。もうそのことだけで圧倒されてしまう。
統合失調症を長く患っている著者卯月妙子が、自らの生活と病状を描いていく。前半は、ボビーという年上の男との破天荒な交際が中心でかなり激烈な愛の話になっている。それは描き方によっては非常に重く暗くなりそうな話だが、ギャグマンガ風の絵とユーモアのセンスゆえに面白く読める。
それがガラッと一変するのは、卯月妙子が、歩道橋から飛び降りる「事故」を起こして顔面を激しく損傷してから。そのけがの治療のため入院するのだが、そこで湧き上ってくる様々な妄想が克明に描かれる。それがこの本の後半部になる。もうこの辺になるとユーモアとかいうよりも、統合失調症という病の怖さが伝わってきて読んでいるこちらもズキズキする。そしてここまでして自らをさらけ出して「作品」にしようとするマンガ家の「業(ごう)」にも恐ろしさを感じる。
救いなのは、ボビーや母などの周りの人たちが、彼女を親身にケアしていること。人に恵まれているのは人徳だろう。究極の愛の物語としても読める。
人間仮免中
イースト・プレス
卯月 妙子

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