『知られざるコミケの世界』 ここは天国ですか?

ドキュメンタリー『知られざるコミケの世界』
2015年1月24日(土)再々放送

コミック・マーケット、通称コミケを取り上げたテレビドキュメンタリー。
コミケは、はるか昔、一度だけ行ったことがあるだけなので今の巨大イベントと化したコミケの姿は非常に興味深い。知らないことばかりでタメにもなるし、面白かった。

開催三日間で延べ56万人の参加者というのは凄まじい。それが大きなトラブルもなく、粛々として運営されているのにまず驚く。ここでは、そういう運営の裏側も見せてくれる。スタッフたちも根っからのオタクのような人たちばかりでまず自分たちが好きでやっているんだというのが強く伝わってくる。
学園の文化祭になると普段目立たない人が意外な能力を発揮するようなものか。それも好きならばこそ。オタクに対人スキルがないというのも嘘というか人によるなあ。56万人に対応できるのだから。

自らの作品を出店している人たちも何人か紹介されていて面白かった。僧侶から女子高生までさまざま。そういう人たちが、みな個性的だけどどこか本質的に真面目そうで好感が持てる。敢えてそういう人たちを選んで撮影しているんだ、と言われればその通りかもしれないが。

来場する参加者のうちコスプレする人も紹介している。こちらも至極まとも。

どうも全体的にコミケに良い印象を与えるような作りになっている。痛車の人なんかはやや引くが、それでもそれに乗って震災の時に津波から逃げたという美談(?)でまとめられている。
このドキュメンタリーについて「コミケの闇の部分に触れていない」という批判がネットなどではあるようだが、これはこれでいいと思う。光と闇、公平にバランスよく一つのドキュメンタリーで取り上げなきゃいけないことはない。ドキュメンタリーといえども「作品」だから当然、作り手の意図する撮影・編集・演出がなされているわけだから。ここでは、かなり意図的に「コミケ礼賛」という主張がなされている。そこがいい。「闇のコミケ」とやらも見てみたいけどね。それはまた別の人が撮ればいい。

出てくる人がみんな笑顔で楽しそうでこちらも嬉しくなる。ここは天国なのかもしれない。
何となく、『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』を思い出した。いつまでも終わることのない学園の文化祭、いつまでもいつまでもこのままでここにいたい。
それだけにラストで「現実⇒」という紙を掲げる人の姿が心に沁みる。

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