『相棒シーズン13初回スペシャル ファントム・アサシン』 寒い国から来たスパイ

テレビドラマ『相棒シーズン13初回スペシャル ファントム・アサシン』制作:テレビ朝日 東映 脚本:輿水泰弘 監督:和泉聖治 出演:水谷豊 成宮寛貴 鈴木杏樹 真飛聖 川原和久 山中崇史 山西惇 六角精児 松尾貴史 片桐竜次 小野了 仲間由紀恵 羽場裕一 高杉亘 五代高之 大石継太  石坂浩二 
2014年10月15日(水)20時~22時9分放送 テレビ朝日

(注意!)ネタバレあり
まず、プロローグで一人のロシア人がアメリカ大使館に亡命する顛末が描かれ、そのあとに三つの殺人事件が連続して起きる。実は亡命したロシア人はロシアのスパイであり、殺された三人は彼に情報を提供していたのだ。情報提供者はあと四人いるのだが、彼らは警察の眼をくらましてある場所に集められる。そこを突き止める杉下右京。そして、明かされる真実。

新シリーズ初回は、恒例の二時間スペシャル。いつも往々にしてスケールを広げて見せるのだが、上手く風呂敷が畳めないという印象がある。さて今回はいかにと期待して見た。
ちゃんとロシアという国名を出しているあたりに現実味がある。今までだと、アジアの某国らしき国を架空の国名にして妙に白けたのだが、ここまで踏み込むのはいい。そうでないと今までは隔靴掻痒という気がしてならなかった。
日本でロシアのスパイが暗躍し、日本人の協力者・情報提供者がいるという話になると、今まではいかにも絵空事になってしまった。作る側も見る側も平和ボケしていたのかもしれない。今回は、以前より現実味があるように感じた。それは時代が変わったのだろう。セリフの中に出てくる「国賊」や「売国奴」といった単語が時代錯誤の荒唐無稽なものではなくなった。というか、ネットじゃ、こんな言葉の応酬を頻繁に目にする。
七人の情報提供者の職業がみんな違っているのもなかなかうまく考えている。なるほど、こんなにいろんな方面から情報が漏えいするのか。ただ、その情報がどういうものか具体的にドラマでは出て来ない。基本的にはスパイものではなく殺人捜査の話だから。

もっとも殺人ミステリと考えたらかなり現実味がない。三件の連続殺人と見えたものが、実は三件とも犯人が違うって、横溝正史の『●●●』か。しかもそれが殺人リレーとは。無理ありすぎ。いくらなんでも追い詰められたからと言ってこうたやすく人は殺人を起こさないだろう。部屋で襲われた男のくだりも最初から真相が見え見えで興醒め。
ただ、真犯人が抱く大義と正義のために殺人が行われた、というのはよく出来ている。今の時代は、こういう人物がいかにもいそうな気がする。法が裁けない売国奴を私が自ら裁く、なんて。
ただ、そうなると七人の情報の具体的なことが出て来ないので何故、真犯人がそこまでする気になったのかがよく分からない。スパイものとしても殺人ミステリとしてもいささか中途半端。

仲間由紀恵がゲストなのにあまり見せ場がないと思ったら、クライマックスからラストに掛けて意外な展開が。そうか、一番のキーパーソンは彼女だったのか。二人の男に愛されていたわけだ。さらに子どもまで出してくるダメ押しぶり。そして、どうやらこのシーズン13のラスボスは彼女である、と。途中の展開には不満もあったが、この締めくくりは嬉しい。
シーズン13も楽しめそう。

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