『Mr.サンデー特別版 オリンピックと世紀の大犯罪』 復讐するは我にあり

ドキュメンタリー&ドラマ『Mr.サンデー特別版 オリンピックと世紀の大犯罪』
2014年10月12日(日)21時~22時39分放送 フジテレビ

東京オリンピックから50年の記念番組やドラマがいくつか目立つが、これはなかでもユニークなもの。東京オリンピックが開催された1964年の直前の時期に起きた三つの凶悪事件にスポットを当てて、ドキュメンタリーとドラマで構成されている。タイトルにオリンピックの文字あれど、オリンピックとは直接は無関係。同時代にこんな陰惨な事件があったと強調するのは、どこか作り手のシニカルな視線を感じる。
ともあれなかなか見応えのある番組であった。ちなみに三つの事件とは、吉展ちゃん誘拐事件、ホテル日本閣殺人事件、西口彰による連続殺人事件である。

吉展ちゃん誘拐事件
この事件はぼくが子どもの頃に起きた事件で非常にインパクトが強かった。ぼく自身が吉展ちゃんとそんなに年も違わないし、住んでいたのは隣の区だし。ラジオで女性団体の人たちが、「吉展ちゃんを返して」と呼びかけていたのも覚えている。
この事件を題材にした本田靖春の『誘拐』という本も印象的だし、それをテレビドラマ化した作品も主演の泉谷しげるの好演もあって面白かった。
今回の放送で「あれっ」と思ったのは、この事件の犯人の小原保を「こはらたもつ」と呼んでいたこと。前は確か「おばらたもつ」と呼んでいた筈だったが、いつ変わったのだろう。番組内のテロップで当時は「おばらたもつ」と呼んでいたと出るのだが、それがいつごろまでで何故変わったのかが分からない。
ちなみに今回の再現ドラマ部分で小原保を演じるのは、柄本時生。ただ、ドラマ部分よりも今回の目玉は、小原保が逮捕前に文化放送の記者の取材を受けた肉声の録音テープ。初めて聞いた。小原保が、被害者家族に掛けた脅迫電話の音声はぼくが子どもの頃からさんざん聞いてきたが。
文化放送の方は、かなり饒舌で受け答えもしっかりしてそれなりの頭もよさそう。ただ、よく聞くと犯人しか知りえない「秘密の暴露」を心ならずもしているのが興味深い。
ザ・ピーナツが歌った「返しておくれ」が聴けたのもいい。

日本閣殺人事件
名まえだけは知っていたが、詳細は知らなかったのでとても興味深く見た。映像や音声記録が残っていない事件なのでドラマが主になっている。ドラマ的にこれが三つの中で最も面白い。それはこの事件の主犯・小林カウ(読みはコウ)を演じた美保純の好演にある。金に執着し、男を誑かし、殺人までやらせる毒婦の恐ろしさと色気を感じさせて実にいい。また絞殺シーン、死刑シーンともに臨場感あり。

西口彰連続殺人事件
これはもう映画『復讐するは我にあり』の緒形拳の西口彰があまりにもインパクトがありすぎなので比較されるハンデはどうしてもある。かつてのドラマ版の役所広司、柳葉敏郎も好演ではあったが、やはり及ばず。今回の人はまあこんなもんでしょ。
これはもう事件の異常さ、犯人の悪魔性に加えて逮捕に至るドラマティックな展開とどう作っても面白くならないはずがない話。とことん引き込まれた。
吉展ちゃん事件もこの事件も警察の捜査の失態が目立つ。特にこちらは犯人の行動が警察の広域捜査の弱点を突いていたという点でのちの教訓になった。その辺の時代色もよく出ていた。
それにしても犯人と露天風呂に入って裸になって傷を確認して欲しい、と一般人に頼む警察とはね。



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