小説(児童文学)『思い出のマーニー』 第3章 でも、いまは内側にいます

小説(児童文学)『思い出のマーニー』

(注意)小説とアニメの『思い出のマーニー』のネタバレしています

それにしてもここで描かれる現象とは何だったのか。小説もアニメも説明していない。ぼくが考えるには、
1 マーニーは幽霊だった。
2 マーニーは生身の人間。アンナがタイムスリップしてマーニーに会った。
3 1と2の混合型。
と言ったところか。なかでは、3を支持したい。幼い孫の身を案じつつ死んだマーニーの霊が、精神的に危険な状態にある孫アンナを救うために少女時代の自分とアンナを引き合わせた、のではないか。
そう考えると、アンナがこの父祖ゆかりの地を偶然訪れたというのはありえない、必然だったという気がしてしっくりくる。
この地においてアンナがマーニーに会うことで、アンナは初めて他人を愛することを知り、リンゼイ一家と知り合うことにより、家族の素晴らしさを知る。そして、自分の両親や祖母のことを知り、自分にもかけがえのない人たちがいたということを強く心に刻む。すべては、マーニーが御膳立てしたことではなかったのか。

この小説が、47年前に書かれたと思えないほどこの小説は現代にも通じるものがある。
他人とうまくコミュニケーションを取れず、いつも自分は外側にいると疎外感を感じるアンナ。むしろ今読んだ方が、彼女の気持ちに寄り添い、共感できる人が多いのではないか。
そしてマーニー、彼女もまた、裕福ではあるけれど孤独で不幸な少女時代を送った。育児放棄した母親、相手をしてくれるはずのメイドやばあやに陰湿ないじめを受ける日々。

「マーニーは子供の頃お母さんに愛されなかったものだから、自分が母親になっても、子どもを愛せるお母さんになれなかった、っていうこと?」

と言うセリフが出てくる。あ、こんな昔にすでにこういう風に考えている人がいたのか。著者の人間の見る眼の鋭さ、確かさ。

この小説は、ミステリアスでファンタジックな現象を扱っているが、それが決して浮世離れした絵空事に終わっていない。戦争、いじめ、お金、コミュニケーション不全、崩壊家族、というようなあまりにも現実的な事象と繋がっている。
ファンタジーは現実と地続きなのである。
そこをきちんと見据えているのがこの小説の素晴らしいところだ。
(おわり)
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