『10ドルだって大金だ』 誰も教えてくれない

小説(短編集)『10ドルだって大金だ』ジャック・リッチー著 藤村裕美 他 訳 河出書房新社 2006年10月20日初版発行
2014年6月7日(土)読了

ジャック・リッチーはいわば忘れられた作家だったが、日本において短編集が編まれてから再評価されたようである。正直言ってぼくも彼の作品は読んだ記憶がなかった。で、試しに買って読んでみた。
14編の短編収録の短編集。
「キッド・カーデュラ」という作品以外は全て犯罪がらみの話。
いずれも軽妙なタッチで書かれていて読んでいてそこそこ面白いのだが、とても傑作とは言えないものばかり、話が型通りでオチも飛び抜けて優秀なのはない。
作者が悪いのか、それとももうこういうものに感応できなくなったぼくが悪いのか。
読み終わったら、すぐに忘れてしまいそうな作品という感じ。伊集院光ふうにいえば、「毒にも薬にもならない」といったところか。
ミステリ短編だったら、ヘンリー・スレッサーの方がもっと上手いし、シャレていたと思えてならない。何だかスレッサーが読みたくて堪らなくなった。
ま、愚痴ばかり言っても始まらないので、この中でも割と面白かった短編について書いておこう。

「キッド・カーデュラ」
突然現れた怪力ボクサーの正体とは?
実はハッキリと正体と書いていないところが上手い。読んでるうちに自然と分かる仕組みになっている。カーデュラという名前がアナグラムになっているのがミソ。それにしてもボクサーというのは全く似合わないのが逆に斬新で楽しい。

「誰も教えてくれない」
探偵の折角の名推理が迷推理になってしまったのは、タイトル通り「誰も教えてくれない」から。なかなか愉快なパロディ・ミステリ。情報不足で推理すると駄目だよ、という見本。

「妻を殺せば」
妻殺しを企んだ夫だが、思わぬ方向に事態が進む、という話。予想外なところに話が転がるし、オチも面白い。

ま、こんなところか。
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河出書房新社
ジャック・リッチー

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