「ザ・ノンフィクション アイドルすかんぴん2」 夢っておそろしい

テレビ(ドキュメンタリー)「ザ・ノンフィクション アイドルすかんぴん2」構成:武田浩 松木創 ディレクター:益子さおり 演出:幸田理一郎 語り:泉谷しげる
2012年10月7日(日)14時~15時放送・鑑賞 フジテレビ

所謂「地下アイドル」を取り上げたドキュンメンタリー。去年放送された「アイドルすかんぴん」、今年放送された「アイドルの家」が非常に面白かったので今回も期待して観てみた。

「夢っておそろしい」
というのは語りを担当した泉谷しげるの言葉だが、まさに然りである。アイドルという見果てぬ夢を抱いて暗中模索して生きる若い女性たちの姿は、第三者から見れば滑稽で哀れでどこか空恐ろしいものがある。
だが他人がどう思おうと彼女たちは一向に意に介さないだろう。
「夢をあきらめない」
ことだけが一番大事なのだ。その思い込みはすごいと思うのだが、このドキュメンタリーを見る限りではただひたすら空回りしているようにしか見えない。

ひなたさゆり(19歳)
鈴木真麗奈(すずきまりな)(18歳)
という二人がこのドキュメンタリーの主役。
ひなたさゆりは、「釣りアイドル」で釣りのイベントに顔を出したりするようだ。もとはチェリーブロッサムというアイドル・グループの一員だが体調不良のため脱退。医師の診断は神経衰弱、今も過呼吸に苦しめられる。そのため仕事に穴を開けたりしてしまう。
鈴木真麗奈は、三人組の「海賊アイドル」(何だ、それ)グループ、フォーチュンの一員。意気込みはあるのだが、まったく人気は出ず、他の二人のメンバーは完全にやる気をなくしている。
悲惨である。
「アイドルすかんぴん」「アイドルの家」に出てきたアイドルも相当に悲惨だったが、この二人はその上を行く、いや地下だから下を行くと言うべきか。
特にひなたさゆりのような病気の人を取り上げること自体何だか気の毒に思えてくる。

これを観ていると、この二人がとうていメジャーアイドルになれるとは思えない。彼女たちに問題があるというよりその周囲の環境に問題がある。結局は所属する事務所の力の無さが一番の問題だろう。弱小というか零細な事務所がいかなる戦略を持っているのかさっぱりわからない。何となく若い女の子を集めてグループを作らせて何となく活動させているようにしか見えない。
このドキュメンタリーの一番の弱点は、そういう事務所側の描写が足りないことにある。アイドルに寄り添って描くと確かに悲惨で滑稽で感動的な映像は作れるが、なんだか薄く感じられて仕方ない。やはり事務所側からの視点も絶対必要だろう。ひなたさゆりの事務所の社長なんか面白そうなキャラだし、フォーチュンのマネージャーの女性がフォーチュンのメンバーより可愛いというのも皮肉で何者?と思って興味が湧く。
次回は地下アイドル事務所の悪戦苦闘を描いてほしい。

このドキュメンタリーの撮影は、去年からやっているようで一年以上にわたることになる。ひなたさゆりも鈴木真麗奈も当然ながら一つ年をとったわけだ。
ネットで検索すると二人ともまだアイドルを辞めずに活動している。鈴木真麗奈は名前を変えたようだが。
ともあれ、自分が納得するまであるいは諦めるまでアイドルにこだわって生きていってほしい、と思わざるを得ない。いつか、このドキュメンタリーが黒歴史になる日まで。頑張れ。

(追記)ひなたさゆりのブログが今日(10月8日)更新されたので読んでみた。かなりの長文にもかかわらず、過不足なく自分の言いたいことをきちんと語り、事務所のスタッフ、キャスト、この番組のスタッフさらにコメントを寄せたファンにまで心のこもった感謝の言葉がつづられている。非常に礼儀正しく聡明な女性なんだとあらためてわかった。これだけちゃんとした文章を書ける人はそうはいない。昨日の放送ではそういう良いところがあまり出ていなかったなあ。本当は自己の置かれている立場をきちんと認識できる頭のいい人なんだ。感心した。


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