「ウルトラマン 遊星から来た兄弟」 哀愁の町に放射能の霧が降るのだ

テレビドラマ(特撮)「ウルトラマン デジタルリマスター版 遊星から来た兄弟」1966年 日本 制作:TBS 円谷プロダクション 監修:円谷英二 脚本:南川竜 金城哲夫 監督:野長瀬三摩地 出演:黒部進 小林昭二 石井伊吉 桜井浩子 二瓶正也 津沢彰秀 土屋嘉男 森山周一郎 高田稔 青野武(ザラブ星人) ナレーター:石坂浩二
1966年11月13日(日)放送 TBSテレビ
2012年9月16日(日)18時30分~19時放送 TOKYO MXテレビ
2012年9月18日(火)鑑賞

このところ、TOKYO MXテレビでデジタルリマスター版と銘打った「ウルトラマン」を放送しているので結構観ている。「ウルトラマン」は本放送をリアルタイムで観ていた世代ではあるが、悲しいことに内容をすっかり忘れてしまった回も多く、あらためて「こんな話だったか!」と再確認しながら観ることがなかなかの快感になっている。
ちなみに当時私は8歳で夢中になって観ていた記憶だけはある。それにしてもたかだか46年前に観たものをこうも簡単に忘れてしまうとは我ながら情けない。そして、46年たってもまだ「ウルトラマン」を快感を味わいながら観ている自分の成長のなさをいくらか誇りに思う。

この「遊星から来た兄弟」もどんな話か全く忘れていて初めて観る54歳の子どもとして楽しんだ。

冒頭、東京に突如として謎の霧が発生し、道行く人が次々倒れていくというショッキングな始まり方だ。やがてその霧の中から放射能が検出される。400レントゲン。それは致死量に相当するという。さらにその放射能は宇宙からやってきたものだと断定される。何故なら、ここ最近、各国では原爆実験をやっていないことが判明したからだ。
あと数時間で東京は死の都と化すであろう。だが、その時人間たちの前に現れたのは、ザラブ星人と名乗る宇宙人だった。ザラブ星人は友好的である証しとして謎の霧をなくす、と宣言してその通りになる。
だが、ザラブ星人は恐ろしい企みを心に秘めていたのだ。

放射能の霧で東京が覆われるという設定は、2012年に観ると実に皮肉にもリアリティーがあるように思えてくる。ただ、これは46年前の作品なので原発事故ではなく、原爆実験が引き合いに出されるところがいかにもそのころらしくて興味深い。
そうだ、私の子どものころは当然ながら冷戦時代で米ソが競って原爆実験を繰り返していた時代だった。「明日は東京でも放射能混じりの雨が降ります」なんてニュースをテレビや新聞で報道していた記憶もかすかにある。
それにしても、米ソとそれ以外の核保有国が第二次世界大戦後に頻繁に行ったはずの原爆実験はどれだけの影響を地球環境に及ぼしたのだろうか。案外大したことはなかったのか。誰も何も騒がなくなったのは何故だろう。

ハッキリとした説明はないが、放射能の霧はザラブ星人に自作自演だったようで、「ウルトラマン」に出てくる宇宙人のなかでは結構頭の切れる知性派らしく、そのあともいろいろ奇手を繰り出してくる。
ケッサクなのは、偽ウルトラマンに化けて街を破壊し、そのあとでザラブ星人として「ウルトラマン陰謀論」をぶち上げるくだり。つまり、いままで怪獣を倒してきたウルトラマンではあるが、実は一番の悪玉はウルトラマンそのものであり、科学特捜隊はその応援をしている仲間なのだ、という趣旨である。
この展開は面白い。ただ、残念なことにあまり生きてこない。ちょっと触れてみました、程度で終わっているせいだ。「陰謀論」を話の中心にすえてもっと本格的にやったらよかったのに。

ザラブ星人「私の狙った星はみな互いに戦い滅んで行った。」
ハヤタ「えっ、どうしてそんなひどいことを」
ザラブ星人「私はそうするために生まれてきた。そうすることが私の仕事なのだ。」

互いに戦い殺し合わせるという地球侵略の思想は「ウルトラセブン」のメトロン星人に引き継がれたようだ。

ゲスト俳優に土屋嘉男と森山周一郎。すごい豪華キャストという感じ。森山周一郎はチョイ役で顔も正面から写らないが、声を聴いただけですぐさま森山周一郎とわかる。大したものである。なんという個性的な声。
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