「アメイジングスパイダーマン」 私は誰か

映画「アメイジングスパイダーマン」AMAZING SPIDERMAN 2012年 アメリカ 配給:ソニー・ピクチャーズ 監督:マーク・ウェブ 脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト 出演:アンドリュー・ガーフィールド エマ・ストーン マーティン・シーン サリー・フィールド リス・エヴァンス 上映時間136分 日本語字幕3D版 
2012年6月30日(土)日本公開
2012年8月4日(土)鑑賞 TOHOシネマズ日劇スクリーン1 9時30分の回 座席K-11 入場料1600円(前売り券1300円+3D料金300円)

サム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演の「スパイダーマン」シリーズ三作(結構面白かった)がまだ記憶に新しいのに早くもリメーク版登場とはいささか呆れる。よほどハリウッドも新しいネタに乏しく、使い古された人気ネタに執着せざるを得ないと見える。聞くところによると、当初は旧スタッフ、キャストで「スパイダーマン4」を、という方針もあったようなのだが、なにやら揉めてご破算になり、総入れ替えで仕切り直しということになったらしい。

というわけで、またあらためてスパイダーマン誕生編から始まることと相成った。
平凡な高校生ピーター・パーカーが、ひょんなことからスーパーパワーを持つスパイダーマンになってしまう、という基本的なプロットは前のものと変わらない。敵は、研究熱心であるがゆえに道を踏み外しモンスターとなってしまった科学者、とこれまたお馴染み。悪く言えば新鮮味がまるでない、良く言えば定番ゆえの安定感がある、といったところか。
作品としては決して傑作とは言えないが、それでもサム・ライミ版といろいろ比較対照して、「ここが同じ」「ここが違う」と突っ込みを入れるという楽しみ方ができるのでそんなに退屈しないでそこそこ面白く観た。

「ここが同じ」「ここが違う」ということでは、やはり主人公ピーター・パーカーの人間関係に関してが一番顕著に表れている。
幼少期に両親を亡くすのがサム・ライミ版だが、今回はどうやら行方不明というニュアンスで描かれていて、今後の続編に何らかの進展がありそうだ。伯父夫婦に育てられるのは両方同じで、伯父が強盗に殺されるのも同じ。
恋人の設定は少し違うし、恋人の父親である警察官の存在も前作にはなかった。前作で印象的だった親友も今回は登場せず。
いろいろ細かいところはいじっているのだが、アッと驚くような新機軸というものは見受けられない。せっかく新しく作るのだからもっと冒険してもよかったと思うのだが、原作者側の意向が強いのだろうか。

それでもこの「アメイジングスパイダーマン」の良さは、やはり若者が主人公の青春ドラマの良さであろう。ほかのスーパーヒーローと違ってどこか頼りないところもあり、未熟さから私憤に駆られるところもあり、の悩み多き若者の葛藤するさまをよくとらえている。スパイダーマンの正義は、どこか危うげである。
スパイダーマンを助けるためにクレーン操縦者たちが一致団結するくだりなど普通に考えれば噴飯ものだが、相手が未熟な若者であるために嫌らしさがあまりなく素直に感動できる。
その主人公を演じるアンドリュー・ガーフィールドは、トビー・マグワイアとはまた一味違ったピーター・パーカーになっていてなかなかの好演。恋人役のエマ・ストーンとともに続編も楽しみだ。
俳優でいえば、伯父夫婦役にマーティン・シーンとサリー・フィールドというのは相当衝撃的だった。二人とも老けたなあ。もうこういう役をやる年になったんだ。ふたりの若いころから観ていたので感慨も深い。ということはつまり私も年を取ったということなのだが。

私は3D版を観たのだが、どうもその効果のほどを印象付けるようなシーンは全くなかった。結局、3Dは大方の予想通り一時期の仇花に終わってしまいそうだ。
アクションシーンもいろいろ詰め込んでいるのだが、「これぞ!」と思うようなものがなく心に残らない。

科学者が自らで人体実験して爬虫類のモンスターに変身しそれが暴れる、というのが今回の目玉だが、その見てくれがモンスター映画、怪獣映画を彷彿とさせてなかなか楽しい。
「ゴジラをやっつけるなら東京へ行け」みたいなセリフもあり、作り手も意識している様子。ただ、くだんのモンスターはクライマックスで超高層ビルによじ登っていくので、そのあたりは「キングコング」を生み出した国らしくて愉快。

文句も付けたが、それでも続編が出来たらシネコンに観に行ってしまうだろうな、と思うくらいには楽しく観た。

(追記)映画の中で高校教師がこんなことを言う。
「文学におけるテーマは10あるといった人がいるが間違っている。文学のテーマは常にただ一つ、「私は誰か」だけである。」
この映画のテーマがまさにそれである。(2012年8月14日記)
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