「トッカン 特別国税徴収官 第1話」 味噌もくそも一緒

テレビドラマ「トッカン 特別国税徴収官 第1話」原作:高殿円 脚本:いずみ吉紘 演出:水田伸生 出演:井上真央 北村有紀哉 鈴木砂羽 木南晴夏 若村真由美 岩松了 美波 泉谷しげる リリィ 池田政典 佐藤仁美
2012年7月4日(水)22時~23時9分放送・鑑賞 日本テレビ

井上真央、可愛いなあ、と思いながら観ていたら、このドラマの最初のところで、その可愛い真央ちゃんの綺麗な顔にいきなり糠味噌がぶっかけられるではないか、唖然茫然である。
井上真央は税務署の職員の役で糠味噌をぶつけたのは税金を滞納しているマダム(佐藤仁美)である。いくらなんでもリアリティーがないよな、こんなことしないだろう、普通。いや、普通じゃないのがドラマ。と言ったって限度があるだろう。コメディのつもり?まったく笑えないんですけど。もうこのへんでみるのやめようかな。
などと思いながら観ているとだんだんこのドラマの肝がわかってきた。
要するにこれは井上真央ありきのドラマなのである。一応、税金を題材したドラマではあるのだけど、井上真央をどれだけ魅力的に描けるか、のみを追及しているのである。
といっても、いつもの元気で爽やかで明るく人懐っこく前向きで優しく美しい井上真央ではない。その真逆にまったくイケてない新しい井上真央がここにいる。冒頭の糠味噌ぶっかけは、その手始めの決意表明である。

昔、このブログで「少年メリケンサック」という映画で宮﨑あおいの顔に牛糞をぶつけるシーンを褒めたことがあるが、今回は糠味噌である。テレビではこの辺が限界かと思うが、それでもよくやったものだ。あんなに綺麗で可愛い井上真央の顔が汚され、同僚からも「臭い」と連発されるなんて。
「ビューティフルレイン」の雨でびしょ濡れの芦田愛菜といい、この井上真央といい、女優を苛酷な目に合わせるのが最近の傾向なのだろうか。

税金ものというのは、名作映画「マルサの女」以降珍しくなくなった。どうしても、二番煎じ三番煎じの印象が強い。このドラマではその辺はむしろ開き直って、「マルサ」や「ナサケ」という単語をあえてきちんと説明して「トッカン」との違いを強調している。
主人公を消費税などの徴収官に設定する、というのは消費税増税で揉めている現時点では非常に皮肉であり、タイムリーである。ただ、正義のヒーローとしてしまうのはいささか無理がある。あの「マルサの女」だって公開時に「国税庁を英雄視するのは如何なものか」という批判があったくらいだ。
そこで「トッカン」では主人公の井上真央を悩める人に設定し、彼女の成長物語に仕立てている。しかも、いささかイケてない、というところをクローズアップしている。そこで似合わない眼鏡をかけ、わざとブスっぽさを出し、一生懸命なのだけどどこかかみ合わない人物像を井上真央が熱演することになる。過去のトラウマを持ち、皆に嫌われていると感じて自分の仕事に自信と誇りが持てない、そんなネガティブな女性を好演している。井上真央のことなのでそれでもチャーミングさは残ってはいるが、ラスト近くのかっこ悪い走り方や土下座のシーンなどの熱の入れ方には感動する。
井上真央ほどの美人でも演技力でちゃんとブスに見えてくる、というのは本当にたいしたものである。

第2話以降にも大いに期待したい。
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