「NHKスペシャル 激動トヨタピラミッド」 岐路に立つ日本

テレビ(ドキュメンタリー)「NHKスペシャル 激動トヨタピラミッド」制作・著作:NHK ディレクター:松宮健一 語り:國村隼 久保田祐佳
2012年6月10日(日)21時~21時50分放送・鑑賞 NHK総合テレビ

トヨタピラミッドという製作システムによって世界有数の企業に成長したトヨタ自動車に今、危機が迫っている。リーマンショック、円高に加えて震災の影響からか、「国内四年連続赤字」という事態に陥っている。
トヨタは国内販売に見切りをつけ、新興国に市場を拡大しようとしている。同時にトヨタピラミッドを構成していた1次サプライヤー(1次下請け)、2次サプライヤー(2次下請け)も国外に製造拠点を移さねばならなくなっている。そこで起きる様々な問題にどう対処していくか。

今、日本の製造業が置かれている苦境の一端をトヨタ自動車という大企業とそれを支えるピラミッドの会社を通して如実に映し出したドキュメンタリーである。私も製造業の端くれなので他人事とは思えず非常に興味深く観た。
正直言うと、初めて知らされたというような事実は少なく、そういう意味での新鮮味はなかった。それになんだかんだ言ってもトヨタ自動車という大企業の話だからそれほど悲壮感はなかった。2次サプライヤーの会社もクローズアップされているが、社長の意気込みが伝わってくるので後味はいい。もっと悲惨で暗い話と思ったのでやや安心。いや、本当は安心できるような状況ではないのだろうが、この番組からはそういう印象を受けてしまった。それがいいのか悪いのか。

2次サプライヤーの会社がインドネシア(注1)の工場を買収に乗り出たのはいいが、現地の労使の揉め事まで引き継いでしまうというのは皮肉な展開であった。海外進出も楽じゃないということがよくわかる。

「もの作り日本は、いま、生き残れるかどうかの岐路に立たされている」というラストの國村隼のナレーションが怖い。大丈夫か、日本。がんばれ、日本。

(追記)この番組が放送される前日に発売された「文藝春秋2012年7月号」に「あの強いトヨタはどこに消えた」という記事が載っていてこれが面白い。筆者は佐藤正明というノンフィクション・ライターで、内容は2009年に社長に就任した豊田章男という人物の批判に終始している。筆者には悪いが読む限りではこの豊田章男氏なかなか面白そうな人物である。創業者の三代目、国際C級ライセンスを持ち社長の身でありながらカーレースに出場する。製造原価一台一億円のスーパーカーを製造し、販売価格3750万円で売り出すという破天荒な試みも行う。経営者としてはいかがなものか、と思うが誠に興味深い人物である。
ちなみにマスコミ嫌いだそうだが、この番組には何か所かに出演している。次回のトヨタものを作るときはぜひ彼を主役にしてもらいたい。今回の番組もトヨタにエールを送るような好意的なものだったので豊田章男氏も悪い気はしていないだろう。(2012年6月11日 記)

(注1)「文藝春秋2012年7月号」の「新世界地政学」(船橋洋一)によると

「トヨタの各国別シェアは、米国、日本、中国、インドネシアの順である。インドネシアがどんどん伸ばしている。インドネシアの乗用車市場の95%が日本車、と教わった。」(222ページ)

だそうである。製造のみならず販売でも魅力的な国であるようだ。
タクシーは例外なくトヨタ。という文章もある。(2012年6月12日 記)

SPC-61 : トヨタ2000GT(赤)
トヨタ(Toyota)

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by SPC-61 : トヨタ2000GT(赤) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック