「警視庁失踪人捜査課スペシャル」

テレビドラマ「警視庁失踪人捜査課スペシャル」原作:堂場瞬一 脚本:渡辺雄介 演出:寒竹ゆり 出演:沢村一樹 北村有起哉 黄川田将也 森カンナ 遠藤憲一 高畑敦子 小日向文世 大地康雄 伊藤裕子 市川由衣 木村文乃 キムラ緑子 田山涼成
2011年12月24日(土)21時~22時51分放送 テレビ朝日
2012年1月3日(火)鑑賞

連続ドラマとしてそこそこ面白かった刑事もの。久々にスペシャルとしての復活なので観てみたが、期待ほどではなくいささかガッカリ。
冒頭からフィギア・スケートの女子選手が失踪する、といういかにも面白くなりそうなエピソードで始まるのだが、驚いたことにこれが30分程で決着してしまう。てっきりメインの話かと思ったのだが、単なる前座の話なのである。しかもとりたててメインの話と何らかの繋がりがあるわけでもないし、これだけの独立した話と観たとしても特に面白いことはない。どうしてこんな構成にしたのだろうか。さっぱり分からない。
そのあと、メインの話の女子高生失踪事件になるのだが、こちらは初めの話よりはそれなりに面白いし、レギュラーメンバーの役者たちも気合が入って、みんなそれなりの見せ場を与えられ、そこそこ面白く観られる。
だが、次第に事件の真相が浮かび上がって来ると、不自然な「泣かせ」が足を引っ張り、どうもストーリーが停滞してしまう。「泣かせ」そのものは別にいいのだが、手の内が見え透いていていささか白ける。

ごく単純に考えてみても、足が悪く、傘を杖代わりに使っているような犯人が、女子高生や大人を拉致監禁できるだろうか。全くもってリアリティーがない。犯人に傷害を負わせることにより、ちょっと変わった味を出したかったのだろうが、完全に裏目。犯人役の役者は確かに大熱演で好演なのだが、彼が熱演して足の悪さを強調すればするほど空々しくなってしまう。役作りの問題と言うよりもそもそもの役の設定の問題だと思う。
犯人の犯行動機と行動の無茶苦茶さは、納得できる。逆恨みの復讐に燃えるような男に理路整然とした行動はできない、という描き方は上手い。「死んだ息子のかたきを取る」と言ったかと思うと、「まだ、息子は生きているから探し出せ」と突然言い出したりする混乱ぶりが説得力がある。

結局、「失踪人捜査課」ではなく、捜査一課が失踪人の行方を突き止める、という展開になるのも皮肉な話。「失踪人捜査課」の存在意義は何処に?作り手が自らのドラマを全否定してしまう、というのは確かに斬新だが、後味は良くない。捜査課の責任者である室長(遠藤憲一)のダメさ加減を娘が厳しく非難しておしまい、というのも思い切ったクライマックスである。てっきり、親子の和解で終わると思ったのに一筋縄でいかないドラマだ。
非常に特異なドラマなのだが、残念ながらその特異さが面白さに繋がっていない。
ラストシーンを見ると、まだ続編を作りそうな気がするので、続編に期待。

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