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zoom RSS 「ガレキに立つ黄色いハンカチ 〜山田洋次・震災と向き合う〜」 

<<   作成日時 : 2012/01/03 07:13   >>

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テレビ(ドキュメンタリー)「ガレキに立つ黄色いハンカチ 〜山田洋次・震災と向き合う〜」制作:NHKエンタープライズ ディレクター:鈴木和弥
2012年1月2日(月)22時15分〜23時30分放送・鑑賞 NHK総合テレビ

不思議な番組だった。いまひとつ何がやりたいのか、意図がよく飲み込めない。観ていて最初から最後まで妙な戸惑いを感じ続けた。それでも面白くはないが、つまらなくもなく、退屈でもなかった。
去年放送された「復活 〜山田洋次・SLを撮る〜」は、山田洋次初めてのドキュメンタリーという触れ込みの作品だったが、彼の強い作家性が伝わってきて非常に面白かった。当然、今回も期待したのだが、今回は山田洋次が演出していないせいもあってか、どうもしっくりとこなかった。

「ガレキに立つ黄色いハンカチ 〜山田洋次・震災と向き合う〜」というタイトルなので当然ながら山田洋次が震災の被災地に入って映像を撮るのかと思っていた。確かに被災地に足を運んではいるが、あまりに凄まじい状況なのでどのようにアプローチしていいのか逡巡しているようだった。まったく対象に対して切り込んでいかない。
そのかわりこの番組で見せられるのは、例えば「男はつらいよ」の上映会が被災地で行われ、被災者に笑いを届けたとか、「幸福の黄色いハンカチ」と同じようにたくさんのハンカチを被災地で掲揚したとか、の「美談」である。美談も結構だが、山田洋次による自画自賛に見えてしまっていささか鼻白む。
まあ、山田洋次による自画自賛というか自己顕示欲の強烈さは近年の作品では特に顕著なのでまたか、と思うだけではあるが、「おとうと」や「復活 〜山田洋次・SLを撮る〜」はそれがプラスに働いていたが、今回は題材が題材だけに違和感が拭えなかった。
「下町の太陽」を始めとする山田洋次の過去の映画のシーンが頻繁に挿入されるのもなんだかなあ、という感じ。「男はつらいよ」「同胞」「幸福の黄色いハンカチ」「学校」「おとうと」といった映画だが、ほんの断片だけ観ても非常にクオリティーが高いので涙腺が刺激される。だが、山田洋次が過去にこのような傑作を作ってきたことと今回の震災とどんな関係があるのか、これらを見せて何を言いたいのかが分からない。不思議な番組と呼ぶ所以である。

山田洋次お気に入りの倍賞千恵子、吉永小百合、蒼井優も少し登場して観るものを和ませる。

山田洋次は、80歳だという。画面で観る限りでは矍鑠としていて歩き方もしっかりしている。私も身近に78歳と82歳がいるからこの年齢でこの元気というのは素晴らしいことだと分かる。なんだかんだ言っても新作の蒼井優主演の「東京家族」、楽しみである。
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