「TVドラマが好きだった」 人気脚本家による名作ドラマへのオマージュ

エッセイ「TVドラマが好きだった」2005年 岡田惠和著 岩波書店 2005年6月7日第1刷発行
2011年10月1日(土)読了

いま、テレビドラマは輝いているか?
人気脚本家による名作ドラマへのオマージュ(帯より)

この前、テレビで観たトーク・バラエティー「ディープピープル 連続ドラマ脚本家」が面白かったので、その番組の出演者の一人である岡田惠和(おかだ よしかず)の本を買って読んでみた。本の帯の文章通りに過去の「名作ドラマへのオマージュ」に満ちたエッセイ集である。面白く読んだ。

過去の名作を一作ごと、または「青春ドラマ」「トレンディドラマ」「朝ドラ」「TBS水曜劇場」と枠を広げて取り上げたりしている。読みやすく分かりやすい文章なので引っかかりもなくすらすら読めてしまう。私と著者はほぼ同世代(2歳違い)なので取り上げられているドラマのほとんどが馴染みがあり、それらに対する感想もかなりの部分で共感できるものがあった。欲を言えば、ドラマの選択も感想もいささか真っ当すぎるので、一つくらい変な隠し玉があった方が良かったのではないか。そういうことをやらないのは著者の性格かな。真面目できちんとしていて、本の中でも声高に自説を強調せずに控えめで押しつけようとしない。度々、( )を使って補足や言いわけや突っ込みやらを入れるのも何だかとても微笑ましく好感が持てる。朝ドラの「ひまわり」観ておけばよかったな。

ちなみにこの本で個別に章立てして取り上げられているドラマは次の通り。
「氷点」「想い出づくり」「傷だらけの天使」「金曜日の妻たちへ」「淋しいのはお前だけじゃない」「北の国から」「冬の運動会」「太陽にほえろ!」
まさに王道である。これらの作品をリアルタイムで観られた著者や私のような世代は幸福だというべきか。おっと、そういうことをあまり言い過ぎると、「昔は良かった」という老人の愚痴になってしまう。
さすがに著者は、現役の脚本家だけあって、ノスタルジーだけに陥ることなく、過去の作品の良さを見据えたうえで現在のドラマへの希望を捨てていない。そのへんがとても気持ちいい。
どこか軽く疎まれがちな「トレンディドラマ」の功績を高く評価するくだりの「鋭さ」もさすがである。語り口が優しい文章だから安心していると、そこここに「毒」が潜んでいて少しドキッとする。

岡田惠和のドラマでは、「銭ゲバ」が好きだ。彼の作品群の中では異色のものだが、ジョージ秋山の原作に決して負けていないし、別の「毒」が味わえる。特に最終話は、ここ最近のドラマでも稀に見る傑作だと思う。
もっと、岡田惠和のドラマを観てみよう。
TVドラマが好きだった
岩波書店
岡田 惠和

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