「ジェリコ ~閉ざされた街~ シーズン1 第1話 終わりの始まり」 恐怖と願望

DVD(テレビドラマ)「ジェリコ ~閉ざされた街~ シーズン1 第1話 終わりの始まり」JERICHO 2006年 アメリカ 監督:ジョン・タートルーブ 出演:スキート・ウールリッチ レニー・ジェームズ パメラ・リード アリシア・コッポラ 上映時間41分
ニューズウィーク日本版2008年12月17日号特別付録DVD 日本語吹き替え版
2011年10月4日(火)鑑賞

ジェイク(スキート・ウールリッチ)という青年が何年振りかで故郷の町ジェリコに戻って来たその日、ジェリコの住民たちは信じられない光景を目撃する。町から遠く離れたコロラド州デンバーがあると思われるあたりで巨大なキノコ雲が立ち昇ったのだ。事故なのか、それとも他国もしくはテロリストによる核攻撃なのか、疑念に包まれた人々に対してアトランタでも爆発があったようだ、という情報がもたらされる。一体何が起きているというのか。

田舎の小さな町のだだっ広い平原の向こうにキノコ雲、という構図が美しくもあり恐ろしくもある。今すぐ直ちに危険は及びそうにないが、それでも核兵器と思しきものが使われたのが事実であれば、時を経て災厄は町へ訪れるであろうという不安。その不安は、原発事故というものを目撃してしまった今の日本人には共有できるものである。いまだからこそ、リアルなスリルを感じながらこのドラマを観ることができる。

東西冷戦時代からアメリカの映画やテレビでは、アメリカが核攻撃される、という作品をいくつも作ってきた。あの噴飯ものの駄作「原爆下のアメリカ」から始まって、「ザ・デイ・アフター」「テスタメント」に至るまで。冷戦はとっくの昔に終わっても、まだアメリカ人の核攻撃に対する不安と恐怖は終わっていなかったことが、このドラマを観るとよく分かる。いや、むしろ今の方がかつてよりも不安と恐怖は高まっているかもしれない。特定の国家だけではなく、得体の知れないテロリストたちまで警戒しなければいかないのだから。
このドラマは、そんなアメリカの現状を鋭く描いている。そして、そのような不安と恐怖以外にどこかに破滅願望のようなものも感じられる。閉塞感ただよう時代だからこそ、いったんリセットして新しい時代、新しい社会を作るのだという破滅の先の再生を見こんだ願望。その辺がきっちり描ければ、面白い作品になりそうだ。DVD・BOXを買うかどうかは検討中。(ただ、視聴率が悪くてシーズン2の途中で打ち切りとか聞くと購買意欲が減退する)

第1話を観た感じでは、まだ謎だらけで方向性がハッキリしないが、それなりに面白く作っている。群像劇なのだが、一応の主役らしいジェイクがいささかしょぼくれているのが割に気に入った。かつて有望視された若手役者のスキート・ウールリッチも役とはいえ、しょぼくれ男が似合うようになったとはこの世界も大変だ。
ジェリコ コンプリートBOX [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2009-11-27

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