「カーズ2」 珍日本紀行・トイレより愛をこめて

映画(アニメ)「カーズ2」CARS2 2011年 アメリカ 製作:ピクサー・アニメーション・スタジオ 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ 監督・脚本:ジョン・ラセター ブラッド・ハリス 原案・脚本:ベン・クイーン 上映時間113分 併映短編「トイ・ストーリートゥーン ハワイアン・バケーション」
2011年8月28日(日)鑑賞 TOHOシネマズ西新井スクリーン8 14時の回 座席B-19 入場料1300円(前売り券)

ピクサー待望の新作アニメ。
正直言ってピクサーの過去の名作・傑作・怪作陣と比べるといささか見劣りする出来と言わざるを得ない。とは言えつまらないというほどではなくそこそこ面白く楽しめることができた。

自動車を擬人化して描かれたアニメなのではあるが、話の中身としてはとてもお子様が楽しめるものではない。
「わー、車がしゃべってるよ、おもしろいね、パパ」という感想を抱くのは難しいだろう。それが証拠に私(53歳・男性)の隣の席に推定3、4歳の幼女が座っていたが、かなり早い段階ですっかり飽きてしまい、「早くおうちに帰ろうよ、はやくおうちに帰ろうよ」と連発して親を困惑させ、隣席の私にも思い切り迷惑かけてくれた。私は、中島義道ではないので直接的抗議をすることはなかった。それに幾分かは幼女の発言も無理からぬことかという思いがあった。
このアニメ、擬人化された自動車が支配する世界を舞台にしていて、そこには人間というものはまったく存在していない。そこが非常にユニークで面白いところなのだが、さすがに2作目となると新鮮味が薄れる。そこで、今作は結構手の込んだ話にしている。
話の中身は、世界をまたにかけてのカー・レースなのだが、そこに自動車の新エネルギーをめぐる陰謀がからむスパイものの要素が加えられている。いや、途中からはレースそのものの面白みではなくて、スパイ戦の方がずっと話のウエイトが重くなってきてしまう。「今さら、スパイ映画のパロディか」と少々鼻白みながらも53歳の私は楽しんだが、推定3,4歳の幼女に「これは昔のスパイ映画にオマージュを捧げた映画であり、色々なアクションシーンや新兵器の描写、悪役の設定に昔ながらの味わいを出しているアニメなのだからその辺を楽しみなさい」といっても通じないだろう。
昔ながらと言ってもそのままではなく、ガソリンに代わる画期的新エネルギーをめぐる話にしているのがいかにも今日的。そのへんは、工夫してあるのだが、ラストで明かされる「意外な黒幕」はさすがに見当がついてしまうのでもうひと工夫必要だろう。何しろ怪しいのがこの人(ではなく自動車)しかいないのだから。

メインのストーリー以外に楽しめるのは、毎度お馴染みの珍日本描写である。カー・レースのスタートが日本ということでかなり尺をとって描かれている。例によって、歌舞伎に相撲、富士山にゲイシャ、夜の街のネオンサイン、という定番メニュー。今回は、それに加えてトイレのウォシュレットに着目してギャグシーンが展開される。
だいぶ前だが、日本を訪れる外国人がウォシュレットに対して興味津々である、という記事を読んだことがある。このアニメを観ると、あれは本当だったのだな、と再認識できた。しかも、ここに出て来るのは普通のウォシュレットではなく「萌える」ウォシュレットなのが気に入った。
不思議なことにカー・レースの転戦先であるフランスやイギリス、イタリアなどはごく当たり前の描写で面白くもおかしくもない。日本パートだけギャグをやっているのである。それに対して、「バカにするな!」と怒る気にならなかった。むしろどんどんやってくれ、という余裕の気持ちが湧いた。どうせ、ギャグシーンなのだから面白おかしくて当たり前。それにもう、珍日本にも慣れてしまったよ。
夜の街のネオンサインの作り込みの凝り方を観ると作り手の日本の対する愛情をひしひしと感じる。同時にいたずらっ子のようなからかいの気持ちも。

というわけでピクサーの次回作にも期待。こんどはそこそこではなく大傑作を希望。

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