「スリ」 この世で一番美しい映画

DVD(映画)「スリ」PICKPOCKET 1959年 フランス 監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン 出演:マルタン・ラサール マリカ・グリーン ピエール・レマリー ジャン・ペレグリ カッサジ ピエール・エテックス 上映時間72分 モノクロ DVD発売:紀伊國屋書店 DVD仕様:映像特典&ブックレット
2011年6月3日(金)鑑賞

再見。初めて観たのは、1976年4月17日(土)23時45分から1時10分までTBSテレビで放送された時だ。35年前、僕は18歳。当時の感想を書きとめたノートを見ると、かなり感激している様子である。それらを少し抜き書きしてみる。

「秀作である。いまだかつて一度もこんな感覚の映画を見たことがなかっただけに驚異を感じると共に感激した。派手な描写など全くせずに息詰まる緊迫感を見事に表現したロベール・ブレッソン監督に脱帽し、主人公の孤独なスリの青年を凄く印象的な個性で演じたマルタン・ラサールに脱帽し、彼を思い慕う娘を不思議な魅力たっぷりに演じたマリカ・グリーンにも脱帽した。」
「ブレッソンは、この物語を白黒のドキュメンタリーのように作り上げた。ミシェル(主人公)の回想という形にしたのも実録の感じを出すためだろう。しかし、見かけはドキュメンタリーだが、こうまで「人間」を凝視する映像はドキュメンタリーではできない。全く揺らぐことのない美を構成し続けるカメラの向こうにブレッソンの冷静な(冷酷な)眼が感じられる。」

35年振りに観直してみると18歳の僕が感じたのとはかなり違う感想を抱いた。今回は、ドキュメンタリー云々といったことはまるで頭に浮かばなかった。むしろこんなにも「作りもの」に徹しているのか、と感服したくらいだ。ドキュメンタリーとは真逆である。
ブレッソンが執拗に描写するスリのテクニックがなんだかこれ見よがしすぎて、不自然さを感じた。息詰まる緊迫感などもまるでなかった。素人役者のマルタン・ラサールの演技も無表情なだけでナレーションでカバーしているように見えた。

だが、それでも今回もまた35年前同様にいやそれ以上に感動した。もうそれはただただ映像の力というしかない。
これはスリのテクニックの映画でも犯罪の映画でもない。そういったところに面白みを見出そうとしてもまるで無駄である。
ここだけは35年前の僕と同感なのだが、「全く揺らぐことのない美」こそがこの映画の最大の魅力であり、尽きせぬ感動の源である。







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