「ソーシャル・ネットワーク」 21世紀の偉人伝

映画「ソーシャル・ネットワーク」THE SOCIAL NETWORK 2010年 アメリカ 配給:ソニー・ピクチャーズ・ジャパン 監督:デイヴィッド・フィンチャー 脚本:アーロン・ソーキン 出演:ジェシー・アイゼンバーグ アンドリュー・ガーフィールド ジャスティン・ティンバーレイク 上映時間120分 カラー 日本語字幕版 
2011年1月15日(土)日本公開
2011年2月13日(日)鑑賞 TOHOシネマズ西新井スクリーン2 15時45分の回 座席B-13 入場料1300円

面白かった。生き生きしていて歯切れがいい。いかにもアメリカ映画らしい爽快感のある映画である。傑作。

今もなお実際に生きている人物を映画にするのは非常に難しい。特にこの映画の主人公マーク・ザッカーバーグのように現役バリバリの企業家をきちんと描くのは難しい。しかもまだ26歳という若さだ。それを今この時点で映画にしてしまうという大胆な企画にまず驚くが、この映画の良いところは「偉人伝」にありがちな極端に美化されて賛辞を受けるような人物像にしていないところだ。それは観る側が一番白けるということを作り手がよく理解している。かといって遠慮しすぎてあたりさわりのない気の抜けた人物像でもないし、露悪的に描いているわけではない。ザッカーバーグ本人の感想は知らないが、非常にバランスよく作られているように僕には思えて面白かった。
映画の構成も上手い。ザッカーバーグが過去の関係者から訴訟を起こされ、その聴聞のための集まりがあり、そこでザッカーバーグを初めとする登場人物たちが証言するという設定で無理なく過去のシーンが再現されていく構成で、演出の切れと編集の鮮やかさでちっとも飽きないで観ていられる。さすが、デイヴィッド・フィンチャーである。

ザッカーバーグを演じるジェシー・アイゼンバーグを初めとしてみんな知らない若い役者だが、みんなうまいし、キャラが立っていて観ているだけで楽しい。なかでもやはりジェシー・アイゼンバーグがいい。すっかり名前と顔を覚えてしまった。彼の将来は分からないが、少なくともこの映画が最初の代表作になるだろう。
なんというか、凄く好感を抱いてしまった。実物のザッカーバーグはどんな人物か知らないが、ここではひどくリアルな一人の男を創り出している。容貌はハンサムというわけでもないし、他人とのコミュニケーションもうまくはないし、社会的常識の欠けるところもあり、基本的に何を考えているかよく分からない男。今までの映画ではとても主役になりえないタイプの男なのだが、この映画では実にすんなりとはまっている。21世紀の偉人というのはこういう男なのだと、思わず納得である。

この映画を観て具体的に「フェイスブック」なるものがどんな魅力を持っているかはまるで分からない。「凄い凄い」とは盛んに言うが、利用者の視点などはまるで入っていない。企業として急成長していく姿を克明に追えばまた別の面白さもあるのだが、それもやっていない。だが、この映画に関してはそれでいいのだと思う。そういう映画ではないのである。

単純に言えばこれは青春映画なのである。友との訣別を経て、大人になって行く若者のものがたり。ちょっと泣けるが、ラストは前向きだ。そこがいい。

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