「きみがぼくを見つけた日」 時間旅行者の妻

DVD(映画)「きみがぼくを見つけた日」THE TIME TRAVELER’S WIFE 2009年 アメリカ 提供:ニューライン・シネマ 監督:ロベルト・シュベンケ 脚本:ブルース・ジョエル・ルービン 出演:レイチェル・マクアダムス エリック・バナ アーリス・ハワード ロン・リビングストン ヘイリー・マッカーン テータム・マッカーン 上映時間107分
DVD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ 字幕版&吹き替え版 映像特典あり 
2010年12月23日(木)鑑賞(字幕版)

初見。
この映画を観る前は、「きみがぼくを見つけた日」というタイトルが気に入らなかった。タイムトラベラーズワイフ=時間旅行者の妻という原題直訳の方がよっぽどカッコいいし、印象的である。ところが映画を観終わると、まあこの甘いタイトルでもいいか、という気分になった。事前に予想していたよりもSF色が薄く、ラブロマンスの要素の濃い映画だったのでロマンティックなタイトルもありだろう。

タイムトラベルを扱った作品ではあるのだが、タイムトラベルそのものを描くよりもむしろ主演の男女の恋愛を描くことに重点がある。
普通タイムトラベルものというと、時間移動した人間がいかに過去もしくは未来の事象に関わるかを描くことに話の重点があり、そこからタイムパラドックスといった問題も出て来る。ところが、この作品の主人公は、過去もしくは未来の妻および娘に関与する以外はあまり行動していない。というかできない。何しろ、自分の意志とは関係なく、何の前触れもなく突然タイムスリップしてしまう。行き先の場所も時代も自分では全くコントロールできない。しかも、常に全裸で服はタイムスリップできない。どの時代の世界に行っても全裸で服を捜しまわるのが最初の行動というのが何とも情けなくあまりロマンティックじゃない。しかもそれが特にコミカルに描かれているのではなく結構真面目なのである。少しぐらいギャグを入れてくれた方が緩急があっていいように思うのだが。

「過去を変えることはできない。試みたけれどダメだった。」というセリフを主人公ヘンリー(エリック・バナ)は言うのだが、それを具体的に示す映像がないのが物足りない。映画だったらセリフだけではなく映像でどうダメだったか見せるべきだろう。ただ、厳密に言うと過去は変えられないが、ヘンリーは少なくとも二つ未来を変えている。これらはタイムトラベラーでなければ出来ないことである。そこは面白いと思った。

ヘンリーと妻クレア(レイチェル・マクアダムス)のラブストーリーはまことにロマンティックなのだが、どうも僕は恋愛で話を引っ張って行くものが苦手である。だからこの映画も途中でいささか退屈した。ところが、クレアが妊娠するあたりから俄然面白くなってくる。クレアは流産するのだが、実はその胎児もタイムトラベル能力がありどこかへタイムトラベルしたのではないかと思わせるトンデモ展開がユニークである。この辺は妙に生臭い話になり、ヘンリーがパイプカットしてクレアと喧嘩したりするのはロマンティックとは程遠くて面白い。その解決策も意表をついてなかなかいい。

後半に出て来る子どもを演じる子役があまり可愛くないのも気に入った。エンドクレジットを観ると9&10歳時をヘイリー・マッカーン、4&5歳時をテータム・マッカーンが演じている。この二人は姉妹だろうか。映画を観ているときはよく出来たCG合成だとおもったのだが、別人だったとは。

エリック・バナ、レイチェル・マクアダムズ共に好演。この難しい役をよく演じ切った。マクアダムズの清楚な感じがいい。

この映画、主人公カップルと娘に焦点が当てて描かれているせいか他の人物の描き方が弱い。主人公達の友人ゴメスあたりはもっと描くべきだろう。話に膨らみが出て来る筈だ。結構重要な役回りなのかと思わせた医師もやけに出番が少ない。主人公の能力を遺伝学の観点から治療しているようなのだが、どの程度の成果があるのか今ひとつはっきりしない。

クリスマスシーズンに最初のタイムトラベルが起き、最後もまたクリスマスシーズンという構成はちょうど今見るのにいいタイミングだった。一種のクリスマスストーリーなのである。
傑作とまではいかないが、なかなかいい映画だった。

(追記)野暮なことを言うようだが、あんなに頻繁にタイムトラベルして(しかも突然消える)、主人公はよく仕事を続けられたものだ。図書館司書という設定だったが、本の整理中に服だけ残して消えたらまずいでしょう。図書館司書は閑職というイメージが作り手にあるのだろうか。

映像特典 「メイキング:時を越えた愛の物語」(21分)
スタッフ・キャストへのインタビュー集。原作との違い。役作りの苦労。ゴメス役のパートを原作より減らしてある、さまざまな年齢のヘンリーを演じ分ける工夫。原作を読んで映画と比較したくなった。


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