「相棒 ━劇場版━ 絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン」

映画「相棒 ━劇場版━ 絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン」2008年 監督:和泉聖治 出演:水谷豊 寺脇康文 木村佳乃 西田敏行 本仮屋ユイカ 鈴木砂羽 益戸育江 岸辺一徳 原田龍二 津川雅彦 西村雅彦 上映時間117分
2010年12月19日(日)21時~23時24分放映・鑑賞 テレビ朝日

初見。

テレビドラマを映画化する場合によくあることなのだが、むやみにスケールアップして映画としての迫力を出そうとして細部が疎かになり、もとからのファンを失望させるという典型的な例だと思う。

インターネットのサイト上で予告された通りに行われる処刑殺人、3万人のランナーと15万人の観客を巻き込んでのテロ計画、といかにもアメリカ映画にありそうな派手な大風呂敷を広げて見せる。元来この手のものは苦手とする日本映画としては良くやっているほうだと思うのだが、「日本映画としては」という但し書きつきなのが残念である。
それでも頭脳派の杉下右京(水谷豊)、肉体派の亀山薫(寺脇康文)それぞれに似合った見せ場を用意してファンサービスに努めるのは好感が持てる。特に犯人に振り回され続けて悪戦苦闘する役周りの亀山薫のシーンは、アクションシーンとしてなかなかよく出来ていて結構面白い。マラソン大会という舞台設定も大がかりで、なかなかリアリティーもありチャチさ空々しさが少ないのも良かった。

ただ問題はミステリとしての弱さにあるだろう。
表面的な事件の裏にそれとはまったく別の犯人の意図がある、というのは良くある手だがここでは良しとしよう。だがどうも細かいところが色々気になってしょうがない。たとえば、実行犯とそれを指示する真犯人の関係が今一つスッキリしない。真犯人の動機、心情はクライマックスでくどいほど強調されるのだが実行犯がどんな気持ちだったのかよく分からない。処刑殺人として3人もの人間を殺すというのはよほどだと思うのだが、その辺が納得できない。彼の最期も自殺なのか真犯人に殺されたのかよく分からない。あの状況下だと本仮屋ユイカが殺したのかと思ったが、そうするとそのあとの爆弾と辻褄が合わなくなる。
真犯人にも困った。これはまあキャスティングの問題なのだが、真犯人を演じた役者がとてもチェスで杉下右京と渡り合えるような知性的な人間には見えなかった。演技力の問題ではなく、その役に合っていないキャスティングなのである。心情を吐露するあたりに演技は泣かせるのに・・・。

ラストの後味の悪さはさすが「相棒」という感じで好感を抱いた。ある真相が暴露されるのだが、それが杉下右京でもなくマスコミでもなく、ある政治家の発表によってなされるという皮肉さがいい。このスタンドプレーで一件落着というのが何ともシニカルである。巧い。

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