「HEROES/ヒーローズ SEASON1」 チアリーダーを救え

DVD(テレビドラマ)「HEROES/ヒーローズ SEASON1」HEROES 2006年~2007年 アメリカ 原案・企画・製作・脚本:ティム・クリング 監督:アラン・アーカッシュ デヴィッド・セメル他 出演:マシ・オカ アリ・ラーター ジャック・コールマン マイロ・ヴィンティミリア ヘイデン・バネッティーア ジョージ・タケイ マルカム・マクダウウェル 上映時間1003分 全23話 
DVD発売:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント DVD仕様:日本語字幕スーパー版・日本語吹き替え版
2010年9月8日(水)発売 2010年10月17日(日)購入 ヨドバシカメラAKIBA店 価格2680円
2010年11月3日(水)~11月10日(水)鑑賞(日本語字幕スーパー版)

「HEROES/ヒーローズ SEASON1」は、2年半前に最初の3話の入ったDVDを買って観たことがある。このブログにも2008年4月24日付けで感想を書いている。今、読む返してみたのだが、ヒロ・ナカムラ(マシ・オカ)のキャラを褒めている以外は概ね否定的な文章が並んでいる。
これでガッカリして残りを観ることなく今まで来てしまったのだが、今回、廉価版が出たのを機にDVD・SETを買い求め、6枚組全23話を最初から改めて観ることにした。さすがに1003分を一気に観ることは無理だったが、8日間かけてひたすら観てしまった。

いやあ、これ面白いや。前言撤回したい。週一くらいのペースでチビリチビリ観るより、短期間で集中して観た方がより面白い。凄く嵌ってしまう。8日間かけて登場人物たちと馴染みになり、ワクワクドキドキで夢中になって観た。
ただ、基本的なストーリーそのものに斬新さはまるでない。昔からSFによくある超能力ものから一歩も出ていない。
(本作の字幕では超能力ではなく、特殊能力と呼んでいるので以下それに従う。)
特殊能力を持つ人間たちが各地で発生し、それらの人々を利用しようとする「謎の組織」が暗躍する。さらに特殊能力者を次々に殺していく「謎の殺人鬼」が登場し、その上、ニューヨークが核爆発によって壊滅するという予言がなされる。というストーリーは割合平凡であり、それ自体としてはあまり魅力的とは言い難い。
このテレビドラマシリーズが優れているのは、ストーリーの見せ方であり、登場人物のキャラの造形の仕方によるものである。

誰か一人のヒーローを中心に描いていくのではなく、群像劇にして描く手法が非常にうまい。各地に点在する特殊能力者のそれぞれのエピソードを小出しにして、交互に並べていくというのは実に頭のいいやり方である。これなら話がダレないし、重たくなく気楽に観られる。編集が鮮やかなのである。連続テレビドラマとしての語り口として理想的であろう。
ストーリーの進展が遅いという気もしないではないが、さまざまなエピソードをぎっしり詰め込んでるため、メインのストーリーがやや停滞してもそんなに気にならない。サブストーリーに話が逸脱してメインがおろそかになることもなく、よく考えられている。第2話にほんのちょっと出てきてそれ以後まるで出てこなかった少女が、第21話で突然登場して非常に重要な役を担うところなど呆気にとられるほど上手い。

あとは登場人物の魅力だろう。たくさんの登場人物がいるが、僕はノア・ベネットが気に入った。最初はいかにも悪役然とした「謎の組織」のエージェントという感じなのだが、次第に変化し成長するのが実に意外で面白い。最終話あたりでは、主役級の活躍も見せる。単純に悪人が改心して善人になったと言い切れないダークさを最後まで残しているのもとてもいい。演じたジャック・コールマン、凄いいい役者である。その養女クレア・ベネット役のヘイデン・バネッティーアも好演でとても可愛い。
次にいいのは、やはりヒロ・ナカムラ(マシ・オカ)とアンドウ(ジェイムズ・カイソン・リー)のコンビだろう。この二人がいなかったら作品のカラーがまるで違ったものになった筈だ。明るく楽しく面白い名コンビである。この二人はとにかく会話のおかしさが肝で、そのために吹き替えではなく、字幕スーパーで観るべきだ。
どう見ても(聞いても)日本語ネイティブではないジェイムズ・カイソン・リーの日本語棒読み演技と日本人であるマシ・オカの演技が下手なところからくる棒読みがよくマッチしていて実にいい。本当に愛すべき二人だ。
ヒロ・ナカムラの父でジョージ・タケイが出てくるあたりはちょっと重たくなって好きではないが。

あとアリ・ラーターも好きなんだがやや役不足か。本筋にあまり絡んでこないし、ちょっと人を殺し過ぎるのもどうかね、という感じ。

23話中、好きな話を3話あげると、まず第9話「チアリーダーを救え」。前半の山場であり、サスペンスフルでしかも第1話の伏線が生きて来る上手さあり。次は第17話「本当の家族」。このシリーズで唯一、他のエピソードを排除してベネット一家に話を絞って描いた話。緊張感があり、感動がある。そして、第20話「5年後」。ニューヨークの核爆発が阻止できなかった世界の5年後を描いて実に面白い。SFとしてはこれがピカ一。一種のパラレルワールドで登場人物がどうしているかを見せるお遊び話としても楽しめる。ここのヒロ・ナカムラがカッコいい。
あともう一つ付け加えると、第23話(最終話)「世界を救え」もこの長い物語を上手くまとめたな、と大いに感心した。実写版「ジャイアント・ロボ」やアニメ版「鉄腕アトム」(旧版)を思い起こさせるラストだった。
「終わった~」と感慨にふけっていたら、なんとまだ続きがあり、「つづく」と出るではないか。全23話、1003分観てまだまだ終わらないというこのとんでもなさ。これはSEASON2も絶対観なければいかないな、と思った。

余談を二つばかり。
ノア・ベネットが、読心術の特殊能力者マット・パークマン(グレッグ・グランバーグ)に心を読まれまいとして日本語で考えるシーンが面白かった。結局、日本語の分からないマットは心を読めないという展開になる。これはなるほどなあと思えるシーンである。思考とは言語があってこそ成立するものだとすればこの通りだ。とても興味深い。

もうひとつ。今、TBSで放映している「SPEC ~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」というテレビドラマに時間を止める少年が登場する。僕は、昔の「ふしぎな少年」を引き合いに出してこのブログに書いたのだが、どうやらあれはヒロ・ナカムラの焼き直しだったみたいだ。マシ・オカを神木隆之介に変えたというわけか。マシ・オカの方がましだよなあ。お粗末。


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