「孤高のメス」 都はるみの歌が聞こえる

映画「孤高のメス」2010年 配給:東映 監督:成島出 脚本:加藤正人 原作:大鐘稔彦 出演:堤真一 夏川結衣 吉沢悠 中越典子 松重豊 成宮寛貴 矢島健一 平田満 余貴美子 生瀬勝久 柄本明 徳井優 隆大介 安藤玉恵 上映時間126分
2010年6月5日(土)公開
2010年6月13日(日)鑑賞 TOHOシネマズ西新井スクリーン3 15時20分の回 座席B-10 入場料1300円(前売り券)

揺るぎない信念を持つ孤高の名医を描いた映画。極めて真っ当なヒーローストーリーであり、捻りや屈折などはまるでなくストレートな作りになっている。話の本筋は、脳死したドナーからの肝臓移植に絞っていて、至ってシンプルである。ちなみに時代設定は1980年代。
脳死や臓器移植に関しては未だに様々な議論があるが、そこに深く立ち入らずに映画を作っている。それが物足りないという人もいるようだが、エンターテインメントとしてはこのやり方でいいのではないかと思う。社会派的問題提起の映画として作ることもできる題材だが、あえてそれをしなかったのも一つの見識であると思う。おかげで非常に見やすく後味のいい映画になっている。このところ、「告白」「ヒーローショー」「アウトレイジ」と後味最悪の映画ばかり続いたのでたまにはこういうのもいいだろう。
主人公の名医を演じた堤真一が爽やかで実に頼りになりそうで感じがいい。暗い過去とか取り立てて強調しないのがいい。重たくて陰惨になるのを免れている。一応、型どおりの悪役がいて嫌がらせをしたりするのだが、それほど大げさではないのであまり嫌な感じにはならない。
夏川結衣、余貴美子はいつもながらいいが、看護師役の安藤玉恵もいい。本来、舞台の女優だが、このところ映像で見かけるようになり、嬉しい。個性的顔立ち。

非の打ちどころのない名医にも変わった趣味がある。それは、手術する際に都はるみのCD(カセット?)をかけることだ。手術室に都はるみの歌が流れる、このシーンがとても面白かった。
僕も2年前に手術を受けたのだが、ストレッチャーに乗せられ、手術室に入った途端、聞こえてきたのはドリカムの歌声であった。「もし、この手術が失敗に終ったら、僕が人生の最後に聞いたのはドリカムということになるな。」と思ったのをよく覚えている。だからドリカムと都はるみの違いはあるが、このシーンがとても懐かしく面白く大いに気に入った。
でもあの時、手術を受けなかったら、このシーンなんかはまるで絵空事にように感じたに違いない。いや、そもそもこんな病院ものの映画なんか観なかったに違いない。何でも体験するものだなあ。あの手術と入院(2か月)は、確実に僕のなかの何かを変えたのだと思う。完治した今だからこそ感じる健康の有難味と医療関係者への感謝の気持ちを大切にしていきたい。
この映画のような名医も現実にたくさん存在していると思う。それを信じさせてくれるという意味でこれは実に意義のある素晴らしい作品である。

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