「怪奇と幻想 第2巻 超自然と怪物」

アンソロジー(怪奇小説)「怪奇と幻想 第2巻 超自然と怪物」1975年 ブラム・ストーカー他著 矢野浩三郎編 角川文庫 1975年1120日初版発行
2010年4月18日(日)購入 高田書店(西新井・古本屋) 価格300円
2010年6月12日(土)読了

13編の短編小説と1編のノンフィクションを収録。
収録作品と作家名。「アムンゼンの天幕」(ジョン・マーティン・リーイ)「水槽」(カール・ジャコビ)「静かに!夢を観ているから」(ローラン・トポール)「監視者」(レイ・ブラッドベリ)「しでむしの唄」(オーガスト・ダーレス)「赤い脳髄」(ドナルド・ウォンドレイ)「繭」(ジョン・B・L・グッドウィン)「骨のない人間」(ジェラルド・カーシュ)「野獣の谷」(アルジャーノン・ブラックウッド)「闇の海の声」(ウィリアム・ホープ・ホジスン)「十三階の女」(フランク・グルーバー)「牝猫」(ブラム・ストーカー)「死の半途に」(ベン・ヘクト)「パリの狼男<ノンフィクション>」(長島良三)

半分くらいは既読なのでいささか新鮮味に欠けるのだが、それでもいくつか面白いものがあったので良しとするか。それらをピックアップして感想を書いておく。

「監視者」(レイ・ブラッドベリ)
人類を襲う恐るべき敵の正体というのがもう笑っちゃうくらい凄い。馬鹿馬鹿しいと言ってはそれまでだが、SFやホラーにはこういうとんでもない発想が不可欠だと思う。かなり好き。

「骨のない人間」(ジェラルド・カーシュ)
これもオチがとんでもない。唐突にこんなこと言われても困るんですけど、というオチ。地球にやってきた火星人がどうなったかという話で似たような話は色々ありそうだ。珍作。

「闇の海の声」(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
ホジスンは随分昔に長編「異次元を覗く家」を読んで面白かった記憶がある。この短編は日本映画「マタンゴ」の元ネタと言われる作品だが、核になるアイデア以外は別物と判断した方がいい。結構地味な話だが、やっぱり怖い。人間が人でなくなるというのは怖い。しかもキノコ・・・。傑作。

「十三階の女」(フランク・グルーバー)
あるデパートの存在しない十三階に行ってしまった男の悲劇。怪奇小説の定番みたいな話だが、あまりひねらずにストレートに話を作っているところがいい。

「牝猫」(ブラム・ストーカー)
これがベスト1。新婚旅行でニュールンベルグにやってきた夫婦がアメリカ人の観光客と親しくなる。アメリカ人の男は悪戯心を出してふと目についた猫の親子に石を投げる。ところが悪いことに子猫の頭に命中し、子猫は絶命する。そこから母親猫の恐るべき復讐が始まる。という話で、アメリカ人がかつてインディアンを殺したことを自慢するような軽薄なお調子者に描かれているのが目を惹く。話の後半に「鉄の処女」と呼ばれる拷問器具を持ってくるあたりのグロテスクな趣向もなかなかのもの。ポオの「黒猫」の影響を受けてるかな?

「パリの狼男<ノンフィクション>」(長島良三)
ヨーロッパに存在した狼男とは何だったのかを考察したノンフィクション。狼狂と言う精神病およびその根本的原因であるオーラル・サディズムについて教えてくれる。短いものだが面白い。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック