「駆け出しネット古書店日記」

エッセイ「駆け出しネット古書店日記」2004年 野崎正幸著 晶文社 2004年1月30日初版
2010年3月8日(月)購入 BOOK・OFF梅島駅前店 価格105円
2010年5月30日(日)読了

「古物商許可証の取得からサイトの立ち上げ
ネット古書店開店のノウハウが満載!
「文雅新泉堂」は今日も元気です」(帯より)

ネット古書店・文雅新泉堂の店主でライターでもある著者が書いた日記形式の本である。ネット古書店というものに興味があり、買って読んでみた。先日読んだ日垣隆の「どっからでもかかって来い! 売文生活日記」で文雅新泉堂を名指しで批判していたのにも触発された。ちなみに日垣隆のホームページではさらにこの本の批判をくりかえしている。それでどんなものかな、と心ひかれたのである。つまり日垣隆の批判はこの本の読者を一人作ったわけだ。

残念ながら中身はさほど面白くなかった。ネット古書店という僕にとって未知の存在について教えてもらえたのは良かったのだが、日記全体はあまりに淡々としていて今一つ興が湧かない。プロのライターだけあって手慣れた筆致で読みやすいのが取り柄だが、なんだか味気ない読後感である。読者としてはもっと珍談奇談や失敗談、もしくは感動話が読みたかった。欲張りかな。著者は実に生真面目な人のようで融通が利かない感じである。日記にプラスして突然、ライターとして書いた書評が挿入されているのも、「なんだかなあ」。またこの書評がつまらない。

ただ、日垣隆が批判している文雅新泉堂の商売姿勢については文雅新泉堂の肩を持ちたい。日垣隆は主にネットにおける本の注文の受け方や本の代金未払い者への対応を問題にしている。日垣隆にも一理あるが、店側の気持ちも十二分に分かる。
なぜかと言えば僕は11年間、新刊書の書店員として働いていたからだ。店頭販売以外にも外商もやり、お客からの本の注文や本の代金の回収でもさまざまな体験をしてきた。従って、1255円の本代を払おうとしない悪質な客を裁判に訴える著者の勇気には大いに感じるものがある。僕にはとてもできなかったことだ。「やりすぎじゃないの?」と思わないでもないが、ここまでできることには敬意を表したい。

でも、この本を読んでもネット古書店で本を買ってみようという気にはまったくならなかった。

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