「ウィーン愛憎 ヨーロッパ精神との格闘」

エッセイ「ウィーン愛憎 ヨーロッパ精神との格闘」1990年 中島義道著 中公新書 1990年1月25日初版 1999年2月20日8版
2010年3月15日(月)購入 BOOK・OFF梅島駅前店 価格105円
2010年3月20日(土)読了 読書時間90分

中島義道の一般書デビュー作。20年前の本だが、今読んでも面白く読める。
これはウィーンに私費留学生として赴いた33歳の青年・中島義道が、いかにしてヨーロッパ人と戦ったかを記録した本である。4年半の間、ウィーンで生活して実に様々なトラブルに遭遇し、実に様々な人々と対決している。その人々が、日本人では到底あり得ない発想と行動をする人々なので読んでいて非常に面白い。
特に日本人学校のイギリス人女性教師との喧嘩の一部始終を読むと、これほどまで日本人と違うのかと驚くばかりだ。

「私が賛嘆の目で見たのは、権利侵害が行われた場合、ほとんど本能的に私を攻撃し、ありとあらゆる手段を用いて自分を守ろうとする彼女の確信に満ちた態度である。」(17ページ)

この女性だけではなく、この本を読んでいると頑迷で自己主張が強く、絶対に自らの非を認めない人々が出てくる。タクシーの運転手、大学事務局の職員、家主、果ては大学生、10代の少女にいたるまで、まさに日本では考えられない行動をとる者ばかり。
最近は日本でも自己中心的な人間が増えてきたと巷間言われているが、とてもじゃないがレベルが違う。

ふと思い出したのは、この間のバンクーバー冬季オリンピックで少し話題になった日本人の某選手の服装問題だ。記者会見でなぜか拗ねた態度で謝罪していたのをテレビで見た。
この本に出てくるヨーロッパ人なら絶対謝らずに自己の正当性を全力で主張しただろうな、と思った。
いや、別に彼らを見習えとかいうわけではない。それは無理だ。それに某選手の拗ねたような甘ったれたような態度に妙に納得してしまったのだ。いかにも今の日本の若者という感じでなんだか可愛い。

それに比べるとこの本の人々は全く可愛げがない。こういう人々に囲まれて生活すれば、鍛えられてタフになるのも当然だろう。なんだか、中島義道の原点を見たような気がして非常に興味深かった。




ウィーン愛憎—ヨーロッパ精神との格闘 (中公新書)
中央公論社
中島 義道

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愛?憎?読んでいて、 ...
レビュー愛憎。中島義 ...
思い出深い本です私が ...

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