「不幸論」

エッセイ「不幸論」2002年 中島義道著 PHP新書 2002年10月29日第1版第1刷 2003年10月17日第1版第4刷 2010年2月11日(木)購入 BOOK・OFF梅島駅前店 価格105円
2010年2月13日(土)読了 読書時間90分

「私は自分の異常性を知っている。その自己愛の悲壮なほどの強さ、その支配力の凶暴なほどの大きさを知っている。私を慕ってくる青年たちは「弱い」。だが、私は彼らと同じ弱さを武器にして生きていけるほど「強い」人間なのである。」(56ページ)

中島義道は面白い。極めて傲慢不遜で慇懃無礼、謙虚さのかけらもなく、自信に満ち溢れ実に偉そうである。そこが否応なく僕を引き付ける。「同工異曲」の本ばかりと思いながらも目につくとつい中島義道の本を買って読んでしまう。読みやすいし、面白いし、なんだか叱咤激励されているようで元気が出る。ユーモアのセンスもなかなかのものだ。この本でも何箇所か大いに笑わせてもらった。「読者からのゴウゴウたる非難」と称して読者の罵詈雑言を紹介するくだりもおかしいし、自分のマイナス面を列挙するくだりから自慢話に転化するくだり(175ページ~178ページ)も爆笑ものである。言っていることがとにかく極端すぎて突き抜けている感じなのだ。

「私は自分が死ぬかぎり、いかなるかたちでも幸福はないと思っている。それは、唯一の「絶対的不幸」である。」(182ページ)

まったく身も蓋もない言葉だが、これは名言である。

今回の本はまた一面で色々な本を取り上げていてそれらを無性に読みたくさせてくれる。夏目漱石の「こころ」からサガン、ジッドなどの文学から哲学者、キリスト者による「幸福論」にいたるまで僕にはまるで馴染みのない作品を紹介してくれるのは誠にありがたい。読んでみたい。

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