「幻想と怪奇 ポオ蒐集家」 しかし、誰もこなかった。

小説(アンソロジー)「幻想と怪奇 ポオ蒐集家」1975年 仁賀克雄・編 ハヤカワ文庫 2005年2月25日発行
2009年11月7日(土)読了

「本書は、1975年3月にハヤカワ文庫NVより刊行された「幻想と怪奇1」の新装版です。」(358ページ)

再読。確かオリジナルが出た当時に買って読んだ記憶があるので34年ぶりの再読である。
懐かしくて一気に読んだが、正直言って玉石混淆という印象を抱いた。14編収録のうち、今なお読むに堪えるのは5編くらいか。とりあえずこの5編のみ感想を残しておく。あとの作品は特に言いたいことなし。

「ポオ蒐集家」1951年 ロバート・ブロック
タイトル通りのワンアイデアストーリー。もうこのアイデアでは誰も書けないという意味でもワン&オンリーの作品。かつて映像化されている。「残酷な沼」というオムニバス映画の一編。テレビ放映の際に見たきりだ。確か復活した●●がセリフを発するんじゃなかったかな。台無しだ。

「女」1948年 レイ・ブラッドベリ
ブラッドベリは来年90歳か。長生きは大いに目出度いが、やはり昔の作品のほうがいい。近作を集めたものを読んだがなんか老残という言葉を思い出した。
この作品は、ある種のモンスターを描いた逸品。文章といい発想といいブラッドベリならではの佳作。

「すっぽん」1962年 パトリシア・ハイスミス
動物と子供をモチーフにした恐怖譚。サキの「スレドニ・ヴァシュタール」を思い出させる。すっぽん(作中ではスッポンと表記)という動物に着目したのが素晴らしい。もう誰もすっぽんを使ってこの手の話を書けないだろう。さきに書いた者の勝ち。どことなく可愛らしくて怖い話。

「夢売ります」1959年 ロバート・シェクリイ
シェクリイも昔好きだった。この作品は今でいうとヴァーチャルリアリティーを題材にした作品。もはやありふれた発想だが、オチがうまいし、「全財産」というのが結構効いている。

「植民地」1953年 フィリップ・K・ディック
何度読んだか分からないほどの名作中の名作。これほど恐ろしい話はめったにない。ディックの初期短編はこれ以外にも「にせ物」だの「変種第2号」だの「探検隊帰る」だの傑作揃いである。まことに素晴らしい作家であった。
いまあげた作品のどれもが偽物と本物をテーマにしているのに注目したい。みんな同じじゃないかと言われそうだが、不思議にどれも異様なこわさがあり、マンネリに感じない。そのなかの頂点が「植民地」であろう。
それにしても「植民地」って映像化されたことがあるのだろうか。あればぜひ観てみたい。
テレビの戦隊物「ボウケンジャー」で「植民地」に似た1シーンがあったのは記憶しているのだが・・・。

 







幻想と怪奇—ポオ蒐集家 (ハヤカワ文庫NV)
早川書房

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ハヤカワ文庫 著者:仁賀克雄出版社:早川書房サイズ:文庫ページ数:357p発行年月:2005年02月

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