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zoom RSS 『まんがと生きて』 聖ロザリンドと黒ヒョウ

<<   作成日時 : 2018/06/10 16:01   >>

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『まんがと生きて』わたなべまさこ著 双葉社 2008年11月16日第1刷発行
2018年6月2日(土)読了

昭和4年(1929年)生まれ。89歳。現役最長老の女性マンガ家の自伝的エッセイ。とても読みやすく面白いので一気に読了。

申し訳ないのだが、著者わたなべまさこの作品は、『聖ロザリンド』くらいしか読んでいない。あれは実に衝撃的で面白いマンガだった。他の作品も読んでみなくちゃいけない。

少女時代、祖父の仕事の関係で、上野の美術学校(現在の芸大)の官舎に住んでいて、日頃の遊び場は、上野公園、上野動物園、芸大だったという非常に珍しい環境でのびのびと暮していたとのこと。自然の多い上野の森、動物園から響く動物たちの声、芸術家の卵であるちょっと風変わりな学生たち。
小学生の3、4年の時、知り合いの美校生に「将来、ボクのお嫁さんになるんだよ」とプロポーズされて大嫌いになったという。戦前にもロリコンいたんだなあ、それはいるさ、人間だもの。
小学校でクラスのボスの女の子より絵が上手かったので女の子達から無視されるイジメを受けたという。戦前にもイジメってあったんだなあ、そりゃあるさ、人間だもの。
戦時中、上野はそんなに空襲がなかったようで、女学生のわたなべまさこは疎開しなかったそうだ。ただ、終戦後に疎開したそうな。「アメリカの進駐軍がやって来たら若い娘に危害を加えるのではないか、と懸念されていた」ため、約2か月東京を離れた。終戦後の疎開って初めて知った。
戦前に起きた上野動物園の黒ヒョウ脱走事件についても書いている。その事件の時に逃げた黒ヒョウの足跡らしきものが少女立った著者が住んでいた官舎の床下にあったという。

戦後の結婚、妊娠そしてマンガ家へという流れも面白い。妊娠中の身でありながら、生まれて初めて描いたマンガ原稿を持って出版社に持ち込みって、物凄いバイタリティーである。さらに出産後は赤ん坊を抱っこして各出版社巡りと来る。一流になる人は、自分から貪欲に活動しているんだなあ。
それ以降は、まさに戦後マンガの歩みと重なっていく。貸本マンガの単行本、少女雑誌の連載、レディースコミックへの転身。少女マンガから大人向けマンガへと云う流れで、当然ながらそれまでは描かなかったベッドシーン、セックスシーンなども要求されるようになる。男性のヌードを描くに当たって実際の裸でデッサンしたことがないのでヌード写真集を頼りに描いていたというもの面白い。

「結局、最初の頃に気に入って買った2冊の写真集を、その後もずっと使っています。だから私のまんがのベッドシーンは似たような構図のものがあるかもしれませんが、どうか許されて」(174ページ)
非常に正直な人、好感を持てる。

ぼくの好きな『聖ロザリンド』製作秘話も面白い。それまで「週刊マーガレット」など集英社の雑誌を中心に描いて来て、行きづまりを感じていた頃、『聖ロザリンド』の話を「週刊マーガレット」編集部にしたら「あまりに過激で殺伐とした内容なので掲載は無理」と拒否され、そのことを講談社の編集に話したら、「是非、うちで描いてください」と言われ、「週刊少女フレンド」で連載がスタート、大ヒットになった。まさに捨てる神あれば、拾う神あり、である。
まんがと生きて
双葉社
わたなべ まさこ

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