完璧な卵

アクセスカウンタ

zoom RSS 『マーチ博士の四人の息子』 殺人者の日記を見つけたら

<<   作成日時 : 2017/12/02 22:04  

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

小説(ミステリ)『マーチ博士の四人の息子』1992年 フランス ブリジット・オベール著 堀茂樹・藤本優子訳 ハヤカワ文庫 1997年2月28日発行 2015年6月15日12刷
2017年12月2日(土)購入
2017年12月2日(土)読了

(注意!)ネタバレあり

医者のマーチ博士の大きな邸宅で住み込みで働くメイドのジニーは、ある日、邸宅の中でとんでもない日記を発見した。それは、幼い頃より人を殺す快楽を覚えて殺人を繰り返すある人物が書いたものであり、自らの正体は、マーチ博士の四人の息子の一人であると明言していた。そして、それは単に過去の記録ではなく、現在も進行している数々の殺人の記録であった。
ジニーは、四人の息子(四つ子)のうちのだれが殺人鬼なのかを探るべく行動を開始する。

謎の人物の日記とジニーの日記が交互に配置され、エピローグ以外は、それだけで構成されている。外連味たっぷりでトリッキーなミステリである。殺人者、もしくは殺人計画者の手記と被害者の手記で構成されているというと、リチャード・ハルの『伯母殺人事件』が思い浮かぶが、あれから随分時代が経っていて、これはいかにも現代的な作品になっている。
当然読む方も色々とすれっからしになっているので、ああだ、こうだと考えながら読むことになる。

まず、単純に考えると、四人の息子のうちのどの一人が殺人鬼であっても、さして意外性はないな、ということ。大体、作中で四人が描き分けられていない気がする。これは、きっと、四人全員が殺人鬼という真相なんだろうな、と途中で思った。だが、そんなに単純ではなかった。

そもそも、メイドのジニー自身が実は泥棒であり、逃亡犯なのである。こんなに信頼できない語り手も珍しい。また、彼女はアルコール好きで、激しく酔っ払ってしまう悪癖があり、時々、自分こそが殺人鬼で、無意識で人を殺しているのではと思ったりする。この辺がなかなか上手い。ヒロインの立場にありながら、なかなか感情移入しづらいキャラなのである。彼女が、どんどん追いつめられて行っても、どうもいまひとつ信用できない。

(警告!)ネタバレ、オチバレあり

実は、マーチ博士には、四人の息子ではなく、五人の息子がいた、つまり五つ子だったのだ。
いや、それは小説の途中で出て来るのだが、子どもの頃に死んだとされていた。ところが実は生きていて、家の中で隠れ住み、時に外に出て殺人を犯していたのだ。マーチ博士夫妻も四人の息子も勿論彼の存在を知っていて、上手くカモフラージュしていた。う〜ん、こりゃ分からんわ。
そもそも、タイトルが『マーチ博士の四人の息子』だもん。まさか、五人目が居ようとは思わんよ。ちょっとアンフェアな気もするなあ。日記の中でも何度も何度も四人のうちの一人と匂わせてばかりいたのに、実は・・・って。
でも、不思議に腹が立たない。上手く騙してくれましたね、という気持ちで、むしろ感謝。

ただ、冷静になって考えてみると、マーチ博士夫妻や四人の息子がどのように協力し合って犯人を隠蔽していたのか今一つ分からないし、その動機も不可解。家族を守るためにそこまでするか。連続殺人もどの程度まで知っていたのかも不明。結局、異常なのは一人だけではなく、家族全員なのかもしれない。と、すると、ぼくが考えた兄弟全員犯人説も案外イイセン行っていたのかもしれない。

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)
早川書房
ブリジット オベール

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『マーチ博士の四人の息子』 殺人者の日記を見つけたら 完璧な卵/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる