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zoom RSS 『LOGAN/ローガン』 人生は変えられない。だが、それでも生きて行く。

<<   作成日時 : 2017/06/21 07:28   >>

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映画『LOGAN/ローガン』LOGAN 2017年 アメリカ 20世紀フォックス配給 製作総指揮・監督・ストーリー・脚本:ジェームズ・マンゴールド 脚本:スコット・フランク マイケル・グリーン 出演:ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート ダフネ・キーン ボイド・ホルブルック スティーヴン・マーチャント リチャード・E・グラント 上映時間138分 2D字幕版 字幕翻訳:松崎広幸 
2017年6月1日(木)日本公開
2017年6月17日(土)鑑賞 TOHOシネマズ日劇 スクリーン3 13時40分の回 座席J−11 入場料(当日券1800円) パンフレット820円 

(注意!)ネタバレあり。『シェーン』のネタバレもあり。『オメガマン』『無限の住人』についても触れています。

ネットでやけに評判がいいのでシネコンに観に行った。単にアクション映画として優れているだけでなく、感動作としても成功しているらしい。ぼくは、今までに『Xメン』シリーズを何作か観て、ウルヴァリン主演作『ウルヴァリンZERO』も観てそれぞれ面白いとは思ったが、それほど強い思い入れがあったわけではない。
さて、どんなものかと観始めたのだが、冒頭から夜のシーンが多く、ちょっと嫌な予感。主役のローガン(=ウルヴァリン)を演じるヒュー・ジャックマンの顔も画面が暗すぎて判別できない。やがて、見えて来ても、今までの役のイメージと全く違う汚くてショボクレている感じがモロに出て、とてもあの精悍なウルヴァリンと同じとは思えない。それが狙いなんだろうが、アクション映画でちょっとアートっぽくしましたとか、人間ドラマにしてみましたというのが苦手なので、こりゃ、先行き不安だなという気分。

近未来、ミュータントたちはほとんど死に絶え、プロフェッサーXことチャールズ(パトリック・スチュワート)も老いて病んで要介護の身の上だし、ローガン自身も心身ともにくたびれ果て治癒能力も低下しているという設定。
カッコいいスーパーヒーロー物の逆手を行ったわけだ。こういうのは、結構キケン。作り手の自己満足に終わることが往々にしてあるからだ。ぼくも最初の内はその懸念を持っていた。少女が登場するまでは。

ダフネ・キーンが演じる少女ローラは、ローガンと同じ能力を持っていた。ミュータントである。ただ、ローガンと違ってローラは、人間の手によって軍事兵器として作られたミュータントだ。施設から逃亡したローラと関わりを持ったローガンとチャールズは、彼女を守りつつ、「エデン」を目指す旅に出る。
このローラの殺戮と破壊のアクションが素晴らしい。この辺りで、やっとこの映画に乗れるようになった。なんだかんだ言ってもアメリカ映画のアクションの切れ味は凄い。いつまでたっても他の国では真似できない。
ショボクレていたローガンも明るい日差しの中、敵と戦うシーンで本来のキビキビした動きをとり戻す。ああ、安心した。冒頭のような暗く陰惨なままでストーリーが進んだらどうしようかと。

以後は、アメリカ映画お得意のロード・ムービーとなる。どこかアメリカン・ニュー・シネマの匂いがするし、もっと言えば、西部劇の匂いも濃厚。それを証明するかのように、映画の中でローラたちが、映画『シェーン』を見るシーンがある。これは予備知識なく全く知らなかったので、『シェーン』がスクリーンに映し出されるシーンで思わず泣きそうになった。これがまた、『シェーン』の名シーンばかりなんだ。ジャック・パランスが、エライシャ・クック・JRを射殺するシーン、葬儀のシーン、クライマックスのアラン・ラッド(シェーン)とパランスとのガンファイト、そして、シェーンと少年との別れの会話。猛烈に『シェーン』がもう一度観たくなった。
この『シェーン』が、単なる映画的お遊びではなく、この映画の精神性と言えるほど重要な意味を持ってくる。それが、ラストでローラによって示される。何とローラは、シェーンのセリフをそのまんま復唱する。
ここはただひたすら感動する。と同時に作品のテーマというべきことを他の映画を持ってきて代弁するって良いことなのかなという気もする。『シェーン』という名作に依存しているだけなんじゃ。でもそれでいいのだろう。狂っている、過激でもある。映画は映画によって作られる。
そこがひたすら素晴らしい。

だが、この上ないオマージュを捧げてはいるが、この映画のストーリーが『シェーン』そのまま踏襲しているとは言えない。むしろ逆だ。
流れ者の男が、農業を営んでいる家族に一宿一般の恩義を感じて、この家族を苦しめる悪党どもを皆殺しにするのが『シェーン』だが、こちらは流れ者の男が関わりを持った家族が流れ者を追ってきた者に皆殺しにされる。この家族は何も悪いことはしていない、いわばとばっちり。『シェーン』と同じく、両親と息子一人という家族構成にしているのも偶然じゃなく、狙ったものだろう。ここだけが、実に割り切れない苦い後味を残す。悪党どもはみんな死んでも一向に構わないがこの家族は生かしておきたかった。でもそれが現代の映画なんだろうな。
この家族だけではなく、この映画は人がたくさん死ぬ。善悪関係なく。敵も味方もみんな大人たちは死んでいく。主人公のローガンもチャールズも例外ではない。だが、それは決して唐突でもなくショックでもない。最初の方の描写からこれは死ぬ流れであり、死に場所を探しているのだなと察知できたから、いわば予定調和。そして、ローガンが死んでも決して悲しいとか云う気持ちは起きない。むしろ、人生をやり遂げたという爽快感を感じる。人が死んで爽快感というのもオカシイが、映画にはそういう風なカタルシスを感じさせる力がある。その底にはヒロイズムがある。

ローガンが死んで、ローラたち子供たちだけが生き延び、国境を越えカナダに向かうのがラストだが、ここでダメ押し的にローラにローガンを「ダディ(パパ)」と呼ばせるのは、泣かせを狙ったのだろうが、さほど感心しなかった。ただこれがないとラストが閉まらないのも事実。そういう王道パターンに忠実。
子どもたちだけがまだ見ぬ楽園を目指して旅立つというのも王道だな。チャールトン・ヘストン主演の『オメガマン』を思い出した。ラストでチャールトン・ヘストンが死に、それを横目に子どもたちが旅立つというのがソックリ。意識しているかな?
あと、ちょっと気付いたのは、この前観た『無限の住人』にも話が似ているということ。極めて治癒能力の高い不死身の男が居て、でも結構満身創痍になってボロボロで、それでも一緒に旅をする少女を助けて行くというプロットがこの『LOGAN/ローガン』に通じる。最後に少女が、「兄様」というのは「ダディ」に繋がるし。あっちの方が日本映画らしく情緒過多なのが彼我の違いを感じさせて面白い。




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