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zoom RSS 『美女と野獣』 強いぞ、ガストン!

<<   作成日時 : 2017/04/24 23:17   >>

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映画『美女と野獣』BEAUTY AND THE BEAST 2017年 アメリカ 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 監督:ビル・コンドン 脚本:ステファン・チボスキー エヴァン・スピリオトプロス 歌曲・作曲・スコア:アラン・メンケン 出演:エマ・ワトソン ダン・スティーヴンス ルーク・エヴァンス ジョシュ・ギャッド ケヴィン・クライン ハティ・モラハン ユアン・マクレガー イアン・マッケラン エマ・トンプソン スタンリー・トゥッチ 上映時間130分 日本語字幕スーパー版 字幕翻訳:松浦美奈
2017年4月21日(金)日本公開
2017年4月23日(日)鑑賞 TOHOシネマズ西新井スクリーン9 座席A=9 15時15分の回 入場料(当日券)1800円 パンフレット720円

(注意!)ネタバレあり

フランスのボーモン夫人のおとぎ話の映画化、というよりもそれを基にしたディズニーのアニメ映画(1991年)を実写映画でリメイクしたものと言った方がいい。
オリジナルのアニメ版も観てはいるのだが、いかんせん公開当時に一度観たきりなので記憶もおぼろげなので、今回の映画は「新作」として面白く観ることができた。

冒頭、エマ・ワトソンが歌い出すので、「ああ、そういえば、アニメ版はミュージカルだったな。」と思い出した。それを実写版も踏襲している。楽曲もアニメ版のものを取り入れて、そこに新曲もプラスするというスタイル。いずれも聞いている分には、良い曲が揃っているが、『アナと雪の女王』みたいに映画館の帰り道で思わず歌いたくなるような曲はない。思えば『アナ雪』は、「レット・イット・ゴー」「とびら開けて」「生まれてはじめて」「雪だるまつくろう」とまさに名曲尽くしだったのだなあ。

ただ、アニメキャラ(の声優や歌手)が歌うのと、実写で俳優(もしくは歌手)が歌うのはやっぱり違う。臨場感と言おうか、やはり2次元では出せない魅力がある。
ヒロインのベル役のエマ・ワトソンは、絶世の美女というわけではないけれど、やっぱり華がある。それでいて、読書好きの女の子という設定もピッタリ嵌って見えるのだから大したもの。

話の内容は毎度お馴染みのもの。捻りがあったり、深みがあったりはしない。新機軸とか新解釈というものもない。数年前のフランス映画版では、「野獣」の過去を掘り下げたりする工夫があったが今回はその辺はスルー。少しだけ、ヒロインベルの過去が描かれるシーンがあるのみ。
原作、ジャン・コクトーのフランス映画版、ジョージ・C・スコットのアメリカ映画版、ディズニーのアニメ版、レア・セドゥのフランス映画版と出会って来たので、さすがに分かり切った話の展開に些か退屈してしまったのも無理からぬことだろう。豪華なセットや衣装を眺めているだけではやはり飽きてくる。

そんなぼくのような観客のためか知らないが、クライマックスはアクションシーンの連発である。そこでの注目は、野獣=王子のダン・スティーヴンスではなくて、恋敵のガストン役のルーク・エヴァンスである。
最初、このガストンというキャラは、自信過剰で傲慢、体力自慢で頭の悪い男というだけかと思ったが、ベルに対する執着心が凄まじく、次第に常軌を逸して来るのが実に面白い。
ガストンは、自分の思い通りに行かないとベルの父を殺そうとしたり、精神病院に送ろうとしたりする。さらに野獣が住む城を襲撃するために自ら先導し、扇動者となる。もうこうなると恋狂いというレベルではなく、血を見ないと収まらない異常感覚の持ち主というべきか。ディズニーってこういう悪役はとことん悪役に描くなあ。最初の方では、粗野だけど気のいい奴みたいなキャラだったような気もするんだが、クライマックスでは、彼こそが「野獣」という感じになっている。ラストは、ハッピーエンドでみんな笑顔になるのに、ガストンだけが呆気なく哀れな末路を辿る。救済も和解もないのね。さすがディズニー。

パンフレット(720円)を買ったのだが、ミュージカル映画なのにパンフレットに映画の中の楽曲一覧みたいなページがないのはどういうこと?大いに不満。浮田久子氏というライターの人の文章で楽曲の解説は一応あるけれど、もっと見やすくするべき。
ちなみに、ぼくが一番気に入った曲は「強いぞ、ガストン」。

男性同性愛者が登場する、というので話題になっていたが、実際に観てみると何てこともない。同性愛描写なんて欠片もないし、この程度で問題になるなんてありえない。
要はガストンの親友ル・フウのことなんだが、これを同性愛って言っちゃうと、今までも結構そういうアメリカ映画あったと思う。大体、ル・フウのキャラ自体はよくあるコメディ・リリーフとしか見えない。
ちょっと勘繰ると、ガストンとル・フウって、初代『美女と野獣』の監督ジャン・コクトーと主演ジャン・マレーの巷間言われるところの関係をパロディ化したものかな、とは思った。

城の野獣を倒せ、とガストンが気炎を上げるシーンで、ガストンが「ヒーロータイム」と言うのが耳に残った。字幕だと、「英雄の出番だ」と訳されていたが。
ヒーロータイム、は日曜朝のテレ朝だけじゃなかった。

魔法の力で王子は野獣に姿を変えられ、彼の召使たちは、家具や食器や楽器などの日用品に姿を変えられた、というアニメの趣向(ボーモン夫人の原作には召使の話はない)をまんま実写にしてしまうのが凄い。野獣がそんなに醜くもなく恐ろしくもなく、むしろ明らかにイケメンなのは、ちょっとどうかと思うけれど。ベルの心理的葛藤があまり出て来ない気がして。
また、人間が日用品になるのは『家畜人ヤプー』的発想で本来なら恐ろしいのに、そこはディズニー、むしろホンワカ和むようなシーンになっている。やっぱり、美女と野獣だけじゃ話が持たない、彼らがいてこそである。そんな日用品たちをイアン・マッケラン、エマ・トンプソン、ユアン・マクレガー、スタンリー・トゥッチといった主演スタークラスの豪華俳優陣が演じているのも凄い。いや、何が凄いって、彼らが本来の人間の姿になるのはラストのほんのわずかのシーンなのだから。それまでは誰が誰やら分からない。こういう一見無駄な贅沢が、妙にシャレて見える。

ミュージカルとしての高揚感、コメディとしてのセンスの良さ、畳み掛けるアクション、豪華俳優陣、贅を極めたセットや衣装と、これは大ヒット間違いなしの映画。さすが、ディズニー、観客の心を鷲掴みする術を心得ている。映画の途中で退屈したのは忘れてしまおう。





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