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zoom RSS 『生身の暴力論』 殺人犯は眠くなる

<<   作成日時 : 2017/03/12 21:36   >>

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ノンフィクション『生身の暴力論』久田将義著 講談社現代新書 2015年9月20日第1刷発行
2017年3月12日(日)購入・読了

帯の、

世の中には
「本当にやる」
人間がいる

という惹句に文字通り惹かれて買って読んでみた。期待に違わず非常に面白い本だった。

戦争、テロ、災害といったものも恐ろしいが、それらは今のぼくにとって差し迫った脅威には思えない。むしろ、この本で取り上げられているような日常的な生活で十分遭遇しうる暴力の方が切実に興味がある。
先日も満員電車の中で誰かに二度、頭を小突かれたことがあった。振り返って相手の顔を確認することもせずにスルーして足早に立ち去ったが、ああいうのが、暴力沙汰のきっかけになるのかもしれない。

著者は、長年にわたって暴力団や暴走族、不良少年の取材をしてきただけあって、その辺のエピソードがまず抜群に面白い。場慣れした喧嘩のベテランの凄みが伝わって来る。そして、単に喧嘩にとどまらず、人を殺した人間の中に見られるある特徴を著者は指摘する。
殺人犯の中には、「眠そうな目」「トロンとした目の光」をした者が居るという。「殺人者は眠くなる」という著者は、

「とうとう自分は人としての一線を越えてしまった」と自覚した時、何とも言えない虚無感がその人を襲う。その時、眠くなる(ように感じる)のだろう。(31ページ)

と推論しているのがユニークで面白い。それが、新選組の土方歳三の顔写真と結び付けられるのも強引だけど面白い。

所謂アウトローたちの姿ばかりを描いているのかと思ったら、第四章「圧倒的暴力にどう対処するか」で登場するのは、まったくの堅気の人、出版社のオーナーである。老人である彼は、肉体的暴力を使うわけではなく、言葉の暴力と威圧的な態度で社内を牛耳り君臨していた。まさにそこは彼の「王国」であって、だれも逆らえない。なるほど、これも圧倒的暴力だ。恐るべきパワハラのパワーというべきか。他の章とはやや異質だが、著者としてもこの人物について書いておかねばという思いがあったのだろう。

言葉の暴力といえば、続く第五章では、「暴力新時代」と題してネット時代の暴力について触れられる。ぼくもブログやツイッターをやっているので、このくだりは非常に興味深く読んだ。
確かにツイッターなんかは、時を経るに従って、どんどん言葉遣いが悪くなって行くのを強く感じる。どうも喧嘩をしたがっている人が増えているんじゃないか。この辺の連中にも巻き込まれないのが肝心だ。
生身の暴力論 (講談社現代新書)
講談社
久田 将義

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